序章:補助金コンサル会社の実態 ― 無法地帯の最前線
「補助金のコンサルタントって、どこも同じでしょ?」
そう思っているあなた、かなり危険だ。
現場を知ればわかるが、この業界は想像以上の無法地帯である。
コンサルによる代理申請の禁止なんて形だけのもの。
AI丸投げで量産された申請書が氾濫し、コンサル自身が補助金の“取次業者”と化している。
そして、そんな惨状を知らないのは国民だけだ。
しかしこの歪んだビジネス構造は、もうすぐ限界を迎えるのだが、この記事では、補助金コンサル業界の歪んだ構造を、赤裸々に暴露する。

1年間のコンサル修行を経た私のこと(プロフィール)
田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。
前職の経歴と風貌から、税金の徴収係などハードな部署に回され続ける。
第2子誕生の際、男性では珍しい1年間の育休を取得して人生を見つめ直す。
子どもとの時間を最優先にして公務員を退職・独立するも1年間のコンサル修行を完了。
なんでもこなす百姓ライフを目指し、田舎でコンサル事務所を開設し、小規模農業、ブログ運営、せどりを行なう。

くわしくは、内部リンクのプロフィールへ
公募情報をばらまくだけの「申請工場」
ある地方都市の印刷業者・A社は、補助金コンサル会社から「御社に最適な補助金が出ました」と電話営業を受けた。
勧められるまま丸投げ申請した結果、採択率30%の補助金に見事当選。
だが、A社の社長は後にこう語っている。
「申請した補助金の内容なんて、ほとんど理解してなかった。ただ、“採択されますよ”って言葉を信じただけ」
実際のところ当のコンサル会社は、A社の事業を深く理解していたわけではなかった。
補助金情報を横流しし、AIでテンプレ申請書を作成するだけの申請工場だった。
「代理申請禁止」なんて形だけのルール
国の各補助金公募要領には、こう書かれている。
「補助金申請は事業者本人が行うこと。代理申請は禁止する」
しかし現場では、これが完全に形骸化している。
たいていのコンサル会社は、顧客から電子申請用IDとパスワードを預かり、書類作成から電子申請までをすべて裏で代行。
お膳立てしたうえで「申請」ボタンだけ、申請者本人に押してもらう。
形式上は「本人申請」だが、実態は99%代理申請だ。
行政はこの状況を知っているはずなのに、監視は皆無に近い。
補助金事務所は、チェック体制を整えることができないのか、実態は黙認と言わざるを得ない。
つまり、やった者勝ちが現場のルールだ。
成功報酬型コンサルの裏に潜むリスク
補助金コンサルの料金体系は「成功報酬型」が主流だ。
採択されれば補助金額の20〜30%を請求される。
しかしA社のように資金力のない中小企業では、採択後にコンサル報酬の支払が大きな負担となる。
さらに問題なのは、採択されることを最優先にした過剰な計画書だ。
AIを駆使して、いかにも“未来志向”な文章を盛り込むが、現場で実現することは不可能。
その結果、採択後に計画が頓挫し、補助金返還命令という地獄が待っている。

「補助金だけのコンサル」はAIに飲み込まれる
ここで押さえておきたいのは、淘汰されるコンサルと実力派コンサルの違いだ。
- 淘汰される補助金専業コンサル
→ 補助金申請書をAIで大量生産し、採択率だけを売りにする。
→ 顧客の事業には関与せず、申請後は丸投げ。
→ 結果としてAI申請ツールに置き換えられ、存在意義を失う。 - 生き残る戦略型コンサル
→ 補助金は“とっかかり”に過ぎない。
→ 採択後の事業実行支援、財務コンサル、M&A助言など長期顧問契約を前提にした総合サポートを提供。
→ 「補助金を使ってどう事業を伸ばすか」まで設計する。
ある大手財務コンサルの代表はこう言う。
「補助金は入り口に過ぎません。本当に大切なのは、採択後にどう利益を生むか。補助金だけでビジネスをやっている会社は、AI時代には間違いなく淘汰されます。」
補助金は武器だ。
だがそれをどう使うかで、未来は180度変わる。
第2章:AI丸投げ時代の補助金申請 ― 申請書工場の闇
「申請書はAIに任せれば、数時間で終わる」
──この言葉に飛びついた中小企業が、いま次々と地獄を見ている。
AIで量産される“夢物語”申請書
ある製造業者・D社は、AIを駆使した補助金コンサルから「採択率90%!」と営業を受けた。
D社の社長は迷わず申請を依頼し、事業再構築補助金5000万円に採択。
しかし、実際にAIが作った計画書はこうだった。
- 5年で売上を3倍に
- AIによる完全自動化システム導入
- 東南アジアへの輸出拡大
だが現場には、
- 新設備を稼働させるオペレーターもいない
- 海外展開のノウハウもない
- AI導入資金の自己負担分が膨らみ資金ショート
結果、D社は補助金を受け取る前に資金繰り破綻。
申請はAIに任せていたが、まさかAIが描いた“夢物語”で会社が潰れるなんて思わなかったことだろう

「AIが書いた計画書をAIが審査する」現実
AI丸投げ申請が爆発的に増えたことで、外郭団体の審査員はすでに処理能力を超えていることだろう。
そこで導入されたのが、一次審査を担うAIスクリーニングシステムだ。
つまり、AIが作った計画書をAIが審査する時代が、すでに始まっている。
この構造は、「AIに好かれる文章を書けるコンサル」ほど有利になることを意味する。
人間が読んで納得する計画書よりも、AI最適化された申請書が通りやすい。
すでに「申請ゲーム」は人間の手を離れつつある。

AI依存コンサルの淘汰は始まっている
AIを使った申請書作成自体は悪ではない。
問題は、「AI任せきりで顧客の実態を無視するコンサル会社」にある。
- 淘汰されるAI依存コンサル
→ 顧客ヒアリングもせず、AIで“それっぽい”申請書を大量生産
→ 採択されても計画は実現不能
→ 補助金返還トラブルで顧客から訴訟リスク - 生き残る戦略型コンサル
→ AIを使うが、計画の現実性を顧客と詰める
→ 補助金は“とっかかり”にすぎず、財務設計・実行支援・長期顧問契約で収益を確保
→ 採択後も伴走し、「実行できる計画」を提供
補助金だけで稼ぐコンサルはAIに飲まれ、補助金を入口に事業全体を支援するコンサルだけが生き残る時代に突入した。

第3章:天下り団体と補助金行政のカラクリ
補助金制度を動かしているのは、国会議員でもなければ、官僚でもない。
実際に補助金の“生殺与奪”を握っているのは、省庁から天下った外郭団体職員たちだ。
天下り団体とコンサルの“共犯関係”
ある地方の大型補助金では、
特定のコンサル経由の案件だけ採択率が異常に高かった。
後に判明したのは、
そのコンサルの役員が審査を委託されている外郭団体の元理事だったという事実だ。
こうした天下り人脈を活かしたコンサルは、AI丸投げなど不要だ。
「採択されやすいキーワード」や「審査員が好む文章構成」を熟知しており、人脈ビジネスで結果を出す。
逆に、外郭団体との接点がないAI依存コンサルは淘汰されていく。
第4章:補助金制度のカオスと公募ラッシュ
コンサルから「補助金を使えば低リスクで店舗拡大できます」と提案された業者は、わずか3年間で5種類以上の補助金に申請した。
- IT導入補助金でPOSシステムを導入
- 事業再構築補助金で店舗改装
- 小規模事業者持続化補助金で販促費
- 都の感染症対策補助金で空調設備更新
最初は順調だったが、本業よりも補助金探しばかりしていた。
補助金がなければ新しいことが何もできない体質になっていった。
その結果、補助金が切れた瞬間、新規投資が止まり、売上は急落。
補助金依存の怖さを物語る典型例だ。
第5章:補助金バブルの末路
物流業を営むグループは、補助金を使って倉庫の自動化を進めていた。
補助金採択後の実績報告で、AI導入費の一部が対象外と指摘され、総額1.2億円の補助金返還命令が下った。
返還資金を捻出できず、関連会社3社が連鎖倒産。
AIで作った計画書が裏目に出てしまった形だ。
この事例は、AI丸投げ申請のリスクを象徴している。
生き残るのは「補助金を使わない会社」かもしれない
補助金は確かに魅力的だ。
だが、補助金のために事業を歪めた企業は、市場競争で弱体化しやすい。
一方で、補助金を“使わない”戦略で堅実に利益を積み上げる企業もある。
採択率に振り回されず、補助金を「オプション」に過ぎないと捉える経営が、最終的には強いのかもしれない。
終章:補助金に依存しない生き残り戦略 ― AI時代の経営サバイバル術
ここまで見てきたように、補助金コンサル業界は今や無法地帯だ。
AI丸投げで量産される計画書、採択後に待ち受ける返還リスク、予算消化に奔走する行政、そして天下り団体とコンサルの共犯関係──。
だが、ここで一番危険なのは、事業者自身が補助金依存に陥ることである。
「補助金がなければ投資できない」
「補助金を取ることがゴール」
──こうした考えに支配された瞬間、企業は市場競争力を失い、補助金ショックで連鎖倒産するリスクが跳ね上がる。
では、どうすればいいのか?
AI時代に生き残るための3つの戦略を提示したい。
戦略1:補助金を“主役”ではなく“きっかけ”にする
補助金は補助金はあくまで「事業成長のきっかけ」であり、経営戦略の中心に据えるべきではない。
実力あるコンサルは、補助金を「入り口」として使う。
採択後に利益を生むための仕組みづくりまで設計し、補助金を活かした中長期の経営戦略を描くのだ。
たとえば、あるコンサルG社では次のようなサポートを行っている。
- 補助金申請 → 採択後の投資効果シミュレーション
- 財務コンサル → キャッシュフロー改善
- 顧問契約 → 資金調達・事業計画の伴走支援
こうした「補助金をきっかけに事業を伸ばす設計」を持つ企業は、AI時代でも淘汰されにくい。
戦略2:AIを“使われる側”から“使う側”へ
AIは、補助金申請においてもはや避けられない存在だ。
AI丸投げのコンサルは淘汰されるが、AIを「経営ツールとして使いこなす企業」は、むしろ競争優位を得られる。
具体的には、AIを以下のように活用するべきだ。
- 補助金申請の下書き作成 → 最終的な企画は自社で精査
- 公募要領の要約・条件整理 → 人間が意思決定を下す
- 採択後の進捗管理・補助金報告書作成 → AI+人間のハイブリッド体制
つまり、AIに「任せきり」ではなく、AIを自社戦略の補助輪として活用することが重要だ。
AIは「武器」だが、「判断」を委ねてはいけない。
AIを使いこなす企業と、AIに振り回される企業。
AI時代は、この二極化が一気に進む。
戦略3:補助金に頼らない収益モデルを構築する
補助金に振り回されないための最終解は、「補助金がなくても回る事業モデル」を持つことだ。
- 補助金があれば投資スピードを上げる
- 補助金がなくても事業は回せる
- 採択の有無で経営リスクが変動しない体制を作る
この設計を持つ企業は、補助金ショックが起きても生き残る。
実際、補助金を「オプション」と割り切り、本業の収益力を磨く企業は、AI時代でも圧倒的に強い。
一方で、補助金頼みの企業はこうなる。
- 毎年複数の補助金に申請 → 不採択が続き資金繰り悪化
- 補助金を取るために本業を歪める → 市場競争で淘汰
- 採択されても計画未達 → 補助金返還命令 → 経営破綻
もはや「補助金が取れないと投資できない企業」は、
市場から真っ先に消えていく。まとめ:AI時代の補助金サバイバル3原則
- 補助金は“きっかけ”であって“目的”ではない
- AIに依存せず、AIを使いこなす企業だけが生き残る
- 補助金に頼らない事業モデルを持つ企業が最強
補助金は、企業を救う「薬」にもなれば、企業を破滅させる「劇薬」にもなる。
そして、AIが加速させた補助金バブルは、間違った戦略を取る企業から順に淘汰していく。
補助金を「取るかどうか」より、補助金を使ってどう生き残るかを考える時代だ。
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