ほんとに辞めてよかった、公務員
「公務員って,、どんなに不景気でも税金から給料をもらえて楽でしょ?」
「ノルマがないし、座っているだけで給料もらえるんでしょ?」
私が実際に公務員として働いていたころ、何度も言われてきた言葉である。
たしかに「収入面の安定」は恵まれているが、対照的に公務ならではの過分の義務など、特有の苦労は多々あった。
その苦労や行政のもろさは、2020年あたりの新型コロナウイルス騒動で明らかになった。
新型コロナウイルスのような未知の事態が起きたときに、国や自治体の「強さ・弱さ」が露呈する。
「これから公務員を目指す!」という若者には、ぜひ参考にしてもらいたい。
「公務員なんて大嫌い!」という方には、その実状を知り周りにも広めていただきたい。
公務員を辞めた私のこと(プロフィール)
田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。
前職の経歴と風貌から、税金の徴収係などハードな部署に回され続ける。
2020年の第二子誕生の際、男性では珍しい1年間の育休を取得。
復帰後、滞納税徴収を担当した2年間で目覚ましい成果を上げる。
しかし、年功序列の組織内で全く評価されず幻滅。
育児をこなしながらも、今後の人生を真剣に考え公務員を退職して独立。
引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める。
・もっと知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)
公務員のメリット
まず公務員のメリットいわゆる特権として、よく挙げられるのは以下の点である。
収入の安定
公務員は不景気でもそれほど給与が大きく下がることもなく、滅多に免職されることもない。
ただし、職員全員の生活を保障するほか、組織内に年功序列が色濃く残っていることもあり、若手の待遇が芳しくなく早期に昇進できる環境にない。
55歳以上で昇給の頭打ちがあるが、基本的に長く勤め続けているとお得な環境である。
ただし公務員の立場上、「副業できない」とセットで「収入の安定」が保障されているとも言える。
福利厚生の充実
これは、まさに育休を取得した私が受けた大きな恩恵である。
やはり、育休取得のフォローが手厚く、復帰後も1時間単位で時間休暇を取れるなど、育児をしながらも働くことができる環境が整っている。
国の施策を民間事業者が実施できるように、まずは公務員から実施・導入していく必要があるからである。
また、不景気で給与が上がらないなか、職場組合が労使交渉において、「○○休暇を新設・拡充しました」などと、成果のアピールに使われることもある。
この際の新設される休暇は、利用実績が伸びなさそうなものが多い。
転勤エリアの限定
市町村などの自治体職員は転勤といっても、市町村内の支所への異動がほとんどなので、車で30分以内で通勤できるのではないか。
当然、子供が転校することもないので、家族のライフプランも立てやすい。
やはり、これが地方公務員の最も大きなメリットかもしれない。
ただし、広大な面積の都道府県職員や国家公務員の転勤は転居を伴うものが多く、そのような面では一般の大手企業と変わらない。
転勤先でパートナーと知り合い結婚に至る場合もあるが、次の転勤でパートナーを連れていく必要があるなど、新たな悩みの種となる恐れがある。
公務員のデメリット
公務員のデメリットとして、あまり注目されないが、実感したのは以下の点である。
「公務」名目で、社会のあらゆる問題に対応
公務員のイメージとして、地震や水害などで復旧応援に駆り出されるのは想定していた。
しかし、鳥・豚の殺処分や、コロナ動乱に伴う保健所への応援まで業務になるとは想定していなかった。
ましてや、居酒屋に対する自粛要請の見回りなんて、そこまで公務員にさせるのか!?レベルだ。
修学旅行で生徒がちゃんと就寝しているかどうかを監視する教師の気分である。
今後、新種の感染症や未知の問題が起こった際にも、必ず公務員が対応するのだろう(哀)
副業ができない
公務員の副業禁止は、そもそも地方公務員法第38条で規定されている。
まさに、公務員の十八番 → 「法律で決められているので!」
無報酬などいくつかの例外規定があるが、今流行の副業生活とは程遠い世界である。
しかし、社会的には副業による複数収入や働き方の多様化を奨励されるなど、社会情勢は大きく変化している。
この副業については、公務員はとうてい率先実行できず、見事に社会から取り残されている。
自治会などで嫌な役を押し付けられる
「あの人は公務員だから、しっかりしているよね」
などと、体よく自治会の役や当番を押し付けられる。
公務員としての公的な立場を有している以上、これは断りにくい。
実際に前担当から引き継ぎを受けると、公務に慣れた職員からすると、自治会のずさんさを感じることがたくさんある。
逆に、それを感じられるほど業務で実務スキルが高まっていたということなのか。
一部の国民・住民に、‘服従’を強いられる
「(サービスを利用する)お客様は、神様だ」
という金言めいたフレーズが一昔前に流行った。
未だにこれを乱用している方たちがみえるので、企業や組織は頭を悩ませている。
公務員は住民サービスを業務としているので、’自称’神様がいばり散らすことがある。
さらに、「困っていることがあれば、公務員がなんでも教えて助けてくれる」と思い込み、予備知識なしで来る方も多い。
一般的に働いていれば分かると思うが、社会活動を行う中では、労働側としてサービスやモノを提供する場面もあれば、消費側としてそれをお客様として消費する場面もある。
その中で、お互いに最低限のマナーや言葉遣いは必要である。
しかし、一方的に「神様である消費者が偉い!」というのは、行き過ぎた「お客様第一主義」ではないか。
特に、公務員業界は税金が原資である以上、利用する神様の行き過ぎた傾向が強い。
ちなみに、「神様」ならば、威厳を備えつつも、それ相応の振る舞い方をわきまえているはずなのだが、期待しすぎだろうか。
公務員時代の苦悩
最後に、公務員時代に味わった苦悩を説明する。
コロナ禍の対応
新しい記憶から辿っていくと、どうしても「コロナ関連」の対応を挙げてしまう。
公務員の常識だが、コロナ第○派が襲来する度に、保健所への応援が発生する。
しかし自身の所属が応援に人員を割いても、通常業務量は決して減少することがない。
県内の地方銀行はコロナ患者が増加すると、昼間の営業時間を休止し、行員の負担をしっかり軽減していた。さすがの対応である。
我が所属では、幹部がそしりを受けることを恐れそのような決断は下させなかった。
さて実際の応援の業務量については、応援に駆り出される職員も慣れない業務で悲惨だが、通常業務に残される職員もそのフォローが発生するのでより多忙となる。
実際に保健所への応援職員は、電話対応やコロナ患者の調整業務により、午後9時までの残業が当たり前とされていた。
社会的な対応が見直され、徐々に軽減されていったようである。
今回のコロナ禍で浮き彫りになったのは、有事の際の行政のもろさ。
溢れる情報を精査して、実効性ある政策がまるで打てない。
今後も何年か周期でこのような無様な対応をすることを懸念し、私は退職した。
そのほか公務員時代の苦悩は、以下のシリーズで展開中 ↓
・公務員の世界で横行する「よろしく圧力」、辞めたくなる (内部リンク先へ)
『 私がクソつまらん公務員を辞めたワケ Vol.1【あきれたよろしく圧力】』
まとめ やっぱり辞めてよかった公務員
公務員時代を振り返るにあたりメリットを再確認したところ、公務員の待遇には後ろ髪をひかれる思いはある。
しかしその公務の理不尽さや、これから起こる有事の際の対応を考えると、この決断は間違っていなかった。
日本という国家のふがいなさと、自治体行政の無能さはどうしようもないものだ。
ああやっぱり、公務員を辞めてよかった!
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