リメイク版アニメ『るろうに剣心』-【蒼紫、躍動】 私だけが気付いた!?漫画版との気になる違い Vol.3

【蒼紫、躍動】漫画版とリメイクアニメ版との違い Vol.3

 「るろ剣の違いシリーズ」第3弾で、待ちに待った四乃森 蒼紫(しのもり あおし)が登場

るろ剣の人気キャラの蒼紫だが、作者によると「武田観柳の登場により、急遽付け足しで登場」という急ごしらえ。

 剣心組が観柳の私兵団をうちのめすだけでは印象が弱いので、最強の集団「御庭番衆」を設定したことによる。

 蒼紫自身は、作者が好きな新選組の「土方歳三」がモチーフ。

なるほど、蒼紫の人気の高さにも納得する。

 今回の第3弾では、観柳邸に突入した剣心組が、御庭番衆と本格的に闘うことになる。

その戦闘の裏には、御庭番衆の悲しい過去が見え隠れし、読者を引きずり込むことになるのである。

るろ剣,蒼紫

『るろうに剣心』が、青春のバイブル

 私はるろうに剣心-明治剣客浪漫譚(めいじ けんかく ろまんたん)-が、好きだ。

毎週アマゾンプライムで、新話を心待ちにする日が続く。

リメイク版アニメと原作漫画版との「違い」が気になったので、その「違い」を肯定的に捉え、読者さんと共有していきたいと考える。

るろ剣,蒼紫

・なぜ「るろ剣」の違いを、記事にしようと思ったのか?その熱い思いはこちらから

リメイク版アニメ『るろうに剣心』漫画版との気になる違い Vol.1

『るろうに剣心』を語る私のこと

〇 私(スカイハイ)

 片田舎で男性公務員だったが、第2子誕生の際に1年間の育休を取得

育休後に復職するも、将来を見据え、退職・独立。

引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとしても活動中。

中学生のころから、『るろうに剣心』が大好きな少年だった。

挑戦中の「二重の極み」は、理屈を理解することから始めている。

るろ剣,蒼紫

詳しくは、私のプロフィールへどうぞ(内部リンク)

第11話 壮烈の般若・創痍の式尉

 あらすじ

高荷 恵を奪還するため、武田観柳の邸宅に突入した剣心組一行。

しかし、そこに待ち受けるは最強集団・御庭番衆

上級の「般若(はんにゃ)」、「式尉(しきじょう)」が続けて剣心たちを待ち構える。

この強敵たちを倒して、御頭・四乃森蒼紫のもとまでたどり着けるのか。 

みどころ

般若の「伸腕の術」

 火男が神谷道場を襲撃した際にも、剣心と闘った般若

その時から、剣心たちは般若の術中にあるという。

般若は拾ってくれた蒼紫のために、心も体も狂気の戦士と化していた。

「蒼紫様のお役に立てるならば 顔も命も私には無用!!!」」

式尉の体技

 幕末、維新側の隠密として江戸城に潜入するも、当時の蒼紫にボコスカにやられた式尉

蒼紫にスカウトされ、御庭番衆の秘薬でさらに筋力アップ。

左之助との戦闘ではその身体だけでなく、戦闘センスも惜しみなく披露されている。

るろ剣,蒼紫

違い1:蒼紫にすごまれてびびる観柳は、恵に接近

漫画版では

 観柳は蒼紫の考えや圧にビビっていたが、恵と脱出しようとするシーンはなかった。

リメイク版アニメでは

蒼紫も剣心同様、金では動かないと悟った観柳は、いよいよ精神的に追い詰められる

そして、恵の幽閉されている部屋で、ドア超しに恵に脱出をたぶらかす

最後には「びこーず、あいらーびゅー!」と叫ぶが、恵に拒まれドア超しに逆上

このやり取りは、隠密として聴覚が鍛えられている蒼紫にも聞かれており、「カスが!」のひとこと。

るろ剣,蒼紫

違いを考察

 リメイクアニメ版では、観柳が剣心・蒼紫に追い詰められている様子がよりリアルに描かれている

これだけ追い詰められているからこそ、起死回生のあの兵器の登場がよりインパクトを持つのだろう。

「そうだアレだ!! 私にはアレがあったんだ!!」

違い2:左之助 対 式尉の体術戦に磨きがかかる

漫画版では

 式尉が剣心組にぶつけてきた鉄球を、左之助がキャッチ。

左之助がその鉄球を地面に叩きつけたことで、同時にチェーンも御役御免

左之助と式尉が力比べをしながらも、式尉が左之助を頭突きで圧倒する。

左之助は式尉の連続頭突きを喰らいながらも、「両手指、ボキボキ!」からの頭部パンチ1発でKO

ややあっさりした格闘シーンではあった。

リメイク版アニメでは

 式尉は鉄球からチェーンを外し、左之助とまさかのチェーンデスマッチ開始

式尉はボディブロー、ボディスラムからのジャーマンスープレックス!

左之助が式尉の連続頭突きを喰らいながらも、「両手指、ボキボキ!」からの頭部パンチで終わり、かとおもいきや追撃のパワーダンク!(『餓狼伝説』テリー・ボガード参照)

これにて勝負あり!

違いを考察

 式尉がプロレスラー要素を前面に押し出し、その格闘能力の高さもアピールされている。

結果的に、御庭番衆全体の強さもイメージアップされる形となった。

「そーゆーところが・・・強さに溺れているってんだ このボケ!!」

るろ剣,蒼紫

第12話 御頭・四乃森 蒼紫

 あらすじ

恵を取り戻すべく観柳邸に突入した剣心は、とうとう御庭番衆の御頭・四乃森 蒼紫と対峙する。

幕末に人殺しを生業とした2人だが、明治になって初めて闘うことになる。

しかし蒼紫の心の中には、どうしても幕末最強の人斬り抜刀斎を倒す理由があった。

るろ剣,蒼紫

みどころ

御庭番衆の幕末の境遇

 徳川慶喜の「高度な政治判断」によって、江戸城は無血開城された。

しかし、それによって起死回生の闘いができなかった無念の御庭番衆

平和な明治になって次の行く先のない仲間に、せめて「最強の称号」だけでも与えてあげたいと蒼紫はもがき続けていた

御庭番衆 歴代最強の御頭と噂される蒼紫の動き

 独特の長さの小太刀と、拳法を巧みに操る蒼紫。

剣心に間合いを制した闘いに切り替えられると、緩急自在の「流水の動き」からの奥義で剣心を仕留めにかかる

この流水の動きが、最新のアニメ技術で見事に表現されている。

るろ剣,蒼紫

違い1:VS蒼紫で、剣心のアニメオリジナル技がさく裂!

漫画版では

 蒼紫が再度繰り出した奥義「回転剣舞(かいてんけんぶ)」で、今度こそ剣心が危ない!

なんとそこで、剣心は真剣白刃どり。

そこから剣心が受け止めた小太刀の柄で蒼紫の喉笛を突く。

蒼紫は、離れ際にパンチを放つも失神して勝負あり

リメイク版アニメでは

 蒼紫の回転剣舞を、剣心は2度刀を持った拳で止める

その後、真剣白刃どりのような飛天御剣流「龍咬閃(りゅうこうせん」で、小太刀を両手でとらえる。

剣心は両手指をしっかりクロス

そこから剣心は、蒼紫の喉笛を小太刀の柄の円運動で殴った。

蒼紫は、離れ際にパンチを放つも失神して勝負あり。

違いを考察

 原作との違いを考察すると、やはりよりリアルな闘いを演出したかったのだろう

唯一の疑問は「龍咬閃」、なぜここで技に組み込むのか。

剣心が拳で二度止めたのは、白刃どりのタイミングを計り精度を高めるための布石だろう。

これにより、龍咬閃がリアルな技として仕上げられ

しかし、やはり技名を付けたのは謎である。

飛天御剣流は「一対多」用の剣術なので、白刃どりの想定はしにくいのではないか。

「回転剣舞 江戸城に忍び込んだ賊を全て 始末してきた技だ」

るろ剣,蒼紫

違い2:観柳のリバースセリフ「ガト、ガト、ガト、、、」

漫画版では

 ガトリングガンを斉射する際、「ほーら、ほらほら」と勝ちを確信して悦に浸っている嫌な感じ。

リメイク版アニメでは

新兵器のガトリングをぶっつけ投入し、勝ちを確信しつつも「ガト、ガト、ガト、、、、」と意味不明の絶叫

違いを考察

観柳ガト、ガト、ガト、ガト、ガト、、、、

るろ剣,蒼紫

この変わったセリフは、実はるろ剣の舞台版で試行されたもの。

作者の和月氏の受けがよかったからか、現在連載中の『北海道編』で再登場した観柳がこのセリフを多用して死闘を演じている。

観柳&ガトリングガンの出発点に、このセリフがリバースしたことが永年の読者として何より感慨深い。

「”様”をつけんか 無礼者めェッ!!!」

るろ剣,蒼紫

第13話 死闘の果て

 あらすじ

 観柳は起死回生のガトリングガンを使って、剣心や御庭番衆を追い詰める。

御庭番衆は、負傷した御頭の蒼紫を助けるため各々の能力を駆使して対抗

剣心と御庭番衆は、圧倒的な力を持つ近代兵器に立ち向かう

みどころ

散華する御庭番衆

 観柳のガトリングガンの前に、絶体絶命の蒼紫

そんな御頭を守るべく、御庭番衆は身体を張って蒼紫を守り切る。

特に般若の新設の回想シーンには、グッとくるものがあった

大切な部下を失った蒼紫の変化

 ガトリングガンの猛攻で部下を失った蒼紫は、4人の首を切断して行方をくらます。

(このへんが深夜枠の強さ)

蒼紫は山中に首を埋葬し、墓前で「最強という華」を添えることを約束。

今後の蒼紫が「剣心の命を狙う強敵」となったことで、今後の再登場を強く匂わすこととなった。

違い1:般若の散際に、御庭番衆の心温まる回想シーン

漫画版では

 剣心に逆刃刀で切り込ませるため、般若はガトリングガンのおとりとなり、同時に死を決意。

リメイク版アニメでは

 ガトリングガンを前に死を決意した般若は、御庭番衆での楽しかった過去を思い出す

表情がまったく分からないはずの般若に対して、皆が「微笑っている」といじる様子が描写される。

これは、般若が命を捧げる蒼紫との大事な思い出であり、仲間である御庭番衆との楽しい時間でもあった。

そんな般若の人生も、ガトリングガンによって終わりを迎えた。

違いを考察

 般若の回想シーンは、全くの新設!

おそらく数話の登場ながら、原作で般若および御庭番衆の人気が高かったからだろう。

般若の素顔には私も驚愕したが(少年漫画の域を超えてる!)、その立ち振る舞いから彼の人間性が十分に伝わってきた

回想中の般若の「微笑っていましたか、わたし、、、」に、ジーン。

剣心の「(御庭番衆の)連中とはもう少し話をしてみたかったでござるな」に、さらにジーン。

御庭番衆の最後に、名残り惜しさを感じさせてくれた。

「後は頼んだぞ 緋村抜刀斎」

るろ剣,蒼紫

余談:観柳の最後

  原作漫画版も今回のリメイクアニメ版でも、観柳の敗因はガトリングガンの弾薬切れ

あれだけの数を打ち続けるのだから弾薬切れするさ!」と剣心から逆刃刀の一撃で、観柳はノックダウン。

 しかし25年前の初期版アニメでは、展開が異なっていた気がする

「火男」の担ぐ樽から飛び出した「べし見」が放った「毒殺螺旋鋲」が未発射の弾薬に刺さる

観柳は般若をガトリングガンで仕留めるが、そこでべし見の螺旋鋲がひっかかり供給がストップした、と記憶している。

 あれは、漫画版で読者から「ガトリングガンなら、弾薬をもっと多く準備しておくだろう」と突っ込まれての変更だったのでは。

私としては、御庭番衆全員が身体を張ったうえでの、活躍が少ない「べし見」の最後のファインプレーとして好きなシーンだった。

「すんません・・・最期の最・・期まで・・・俺達役立た・・・ず・・・で・・・」

違い2:ガトリングガンを溺愛する観柳

漫画版では

 剣心たちを仕留めるためのガトリングガンであり、その性能に惚れ込んだようだった。

リメイク版アニメでは

 ガトリングガンを入手するシーンまで新設し、思い入れの強さを強調

抱き着いて「あっちぃー!」という観柳のふざけた姿だけでなく、警官に連行される際も「ガトリングガンに触るな!」とその溺愛ぶりを体現している。 

違いを考察(ネタバレあり)

 観柳は現在連載中の北海道編で、ガトリングガンとともに再登場している。

アニメ放映としては気の遠くなる話であるが、もしかしたら北海道編を見越しての描写ではないか。

いちファンとして、とても楽しみな展開である。

剣心ファンとしては北海道編もアニメでぜひ見たい、がんばれ「るろ剣」!

るろ剣,蒼紫

まとめVol.3  るろ剣「蒼紫」の急成長

 剣心の強さを際立させるためとはいえ、蒼紫の登場は観柳に伴う急ごしらえ

それでも作者の力量もあってか、この数話で蒼紫は見事に成長していった。

剣心にも破れ大事な部下4人を失った蒼紫は、修羅の道へ進むのか。

剣心は蒼紫に命を狙われることになるが、どのような形で蒼紫が再登場するかは今後のお楽しみ

「俺が お前を殺すまで 誰にも殺されるなよ」

 この第13話の蒼紫が樹海に消えるシーンをもって、リメイク版アニメ第1幕は閉幕

るろ剣,蒼紫

 全13話の感想としては、お見事なくらい面白かった!

深夜枠で勝負することで人斬りの凄みも表現できるようになり、大人版のアニメにリメイクされた。

 第2幕の最初は、「弥彦の闘い」。

本来ならば、弥彦と恋仲になる燕が登場し、弥彦が彼女を守るストーリー。

しかし予告映像では、作者も失敗と認めるあの石動(いするぎ)の姿が。

私としては、この石動編は丸ごとカットになるかと思っていた。

石動編は弥彦のライバルが登場したり、剣心がまさかの深手を負わされたり、剣心が幻の大技(親指ピーン!)を放ったりして、見どころは多い。

弥彦の成長に焦点を当て、原作を上手くリメイクしてくれることを期待している。

 石動は「るろ剣」中でもトップクラスのチート技を持っているが、メンタルの弱さもあってかうまく活用できず。

リメイク版のアニメでは、石動のメンタルも強くなっていることを期待する

「これこそ我が新古流の象徴! そして・・・究極の殺人剣!!!」

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