迫りくる小1の壁
わが家の娘は、2024年の春に保育園を卒園して、晴れて小学生に。
弟はまだまだ保育園だが、とりあえず一区切り。
かと思いきや、次にわが家に迫るのは「小1の壁」。
いったい、どんな壁がやってくることやら。
前もって公務員を退職
わが家は「小1の壁」が来ることは、認識していた。
そのため娘が年長組になった際、私は辟易していた公務員の仕事を退職し自宅開業に踏み切った。
これは苦渋の決断でもなく、公務員の将来性と子どもとの時間を鑑みての当然の帰結でもある。
公務員を退職することは、周りからみると暴挙らしい。
いろいろと噂されながらも、未だ見えない「小1の壁」に備えていたのだ。
しかし、やってきた公務員の壁は、私が想像するよりも大きなものだった。
小1の壁を前に公務員を退職した私のこと(プロフィール)
田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。
第2子誕生の際、当時の男性では珍しい1年間の育休を取得。
育児をこなしながらも、今後の人生を真剣に考え公務員を退職して独立。
小学校に入学する娘との時間を考え、前もって公務員を退職し、小1の壁に備えることにした。
公務員時代の最終年度は、「有給消化46日/年度」という伝説的記録を叩き出す。
「あれだけ休んで、業務ノルマを軽く達成したイクメン」として同僚から注目を集めるが、上司からは「休みすぎ」という理由で最後に減点評価をされる。
小規模農業、ブログ運営、海外輸出を展開中。
(ブログは企業案件を受注し、継続お仕事中)
・もっと細かく知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)
小1の壁の背景
「小1の壁」とは、子どもが小学校1年生に進学する際、保護者、特に共働きの家庭が直面する問題や困難のこと。
そんな壁がそびえ立つ背景には、以下のことが指摘されている。
保育園と小学校の違い
保育園では、共働きの家庭に配慮して長時間の保育を提供している。
朝早くから夕方遅くまで子どもを預かり、仕事と育児の両立がしやすい環境が整っているのだ。
一方、小学校は授業時間が限られており、放課後のケアが十分に提供されていない場合があり、具体的には以下のような違いがみられる。
- 保育時間の長さ: 保育園では朝8時から夕方6時、場合によってはそれ以上の時間子どもを預かる。一方、小学校の授業は通常で午後2時~3時には終了する。
- 休暇期間: 保育園は基本的に年末年始以外は開園しているのに対し、小学校は長期休暇(夏休み、冬休み、春休み)が存在し、その間の子どものケアが必要になる。
- 日々のケア: 保育園では、給食やおやつの提供、午後の睡眠時間など、子どもの一日の生活リズムを支えるサポートが充実している。一方、小学校では給食こそあれ、それ以外のサポートは少ない。
小1の壁がもたらす問題
子どものケア問題
小学校の授業が早く終わることにより、保護者は仕事と育児の両立が難しくなる。
まずは、放課後の時間帯に子どもをどうするかが大きな課題。
学童保育(放課後児童クラブ)がその一部をカバーするが、定員が限られており、希望者全員が入れるわけではない。
また、学童保育の開所時間も限られているため、特に長時間労働をする保護者にとっては十分ではない場合がある。
仕事への影響
共働き家庭では、保護者のいずれかが子どものケアのために仕事を早退したり、休んだりする必要がある。
これにより、キャリアの進展や収入に影響が出てくる。
特に女性がその役割を担うことが多く、女性の社会進出やキャリア形成に対する障壁となることが指摘されている。
子どもの生活リズムの変化
保育園から小学校への移行に伴い、子どもの生活リズムが大きく変化する。
保育園ではきめ細やかなサポートが提供されていたが、小学校では自主性が求められる場面が増加。
これに適応するのが難しい子どももおり、精神的なストレスや適応障害を引き起こす可能性がある。
実際に味わった小1の壁
娘が小1になって、はや数か月。
まだ夏休みにも入っていないが、小1の壁は何度も味わっている。
保育園卒園から壁が出現
まずは、卒園式から小学校の入学式までの期間。
この間が、なんと2週間もある!
保育園では3月31日まで預かってもらえるが、少し恥ずかしい。
しかし、4月1日以降は小学生扱いなので、保育園とは全くの無関係。
4月1日から受入れ可能な学童施設もあるが、うちの子どもは適応できず。
しょうがなく、父の私とマンツーマンの日々が続いた。
両親共働きの世帯ならばどうなっていたかと、ゾッとする期間だ。
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学童の壁
わが家が利用する学童は、幸いにも4月1日から預かってもらうことができた。
学童によっては、「新1年生は、4月8日頃の入学式後しか入れない」という地区もあるようだ。
しかし学校にも行ったことのない子が、いきなり上級生ばかりの学童にデビューするのもハードルが高い。
実際に、わが娘は4月1日に父お手製のお弁当を持って学童デビュー。
しかし、まさかのお昼前に学童から呼び出し。
不安による腹痛で、娘はずっと泣いていたらしい(呆)
結局、本格的なデビューは入学式後になってしまった。
給食の壁
入学式も無事に終了し、数日後から学校でも給食が始まる。
ここでも慎重派の娘は、給食の壁を体感することになる。
保育園のときの「お給食」と大差ないはずだが、なぜか緊張してしまうのだそう。
2日目の給食の日に、今度は学校からお呼び出しがかかってしまう。
「娘さんがお腹が痛くて泣いています」とのこと。
後日、担任の先生に事情を話し、給食時間に先生から色々フォローしてもらった。
今では、楽しんで給食を食べているそうだ。
通学の壁
次に遭遇したのは、「通学の壁」。
学校までの距離というのは、はっきり言って「くじ運」みたいなものだ。
「学校が近いから」という理由で移住すれば近くになるが、われわれのような半農民は基本的に土地を離れることができない。
だからこの通学距離だけは、6年間子どもに泣いてもらうしかない。
わが家と小学校の距離は、1.5km。
子どもにしては遠い距離だろう。
未だに毎朝ブーブー言いながら通学しているが、雨の降っている朝は機嫌が最悪。
「とうちゃん、車で送っていってよー」と不満たらたらの不機嫌娘の誕生だ!
ちなみに「学校、楽しいかい?」と尋ねても、
「歩くのがいや!」とお決まりの答えしか返ってこない(泣)
とうとうやってきた旗振り当番
子どもの通学に合わせ、毎週月曜日に保護者が主要な交差点に立ち、旗振りをしている。
自らの通勤の途中で目撃していたので、存在は知っていた。
なので「とうとうやってきたか」と、ある程度心の準備はしていた。
しかしけっこう負担が大きい。
子どもらの通学班が通る前に、交差点に陣取っておく必要がある。
しかも4歳弟を一人で自宅に置いておけないので、一緒に連れていく。
まだ春なので良いが、寒かったり雨の日だったら、けっこうしんどい。
そんなのあるの!?学校行事
子どもが小学生になると、授業参観などは昔からある定番メニューだ。
娘が通う学校では、この授業参観に加えて、フリー参観というものもある。
「この日だけは、いつ見に来てもらってもよいですよ」という試みだ。
これは親にとっては時間の都合がありがたいが、先生も小学生も気が抜けないだろう。
しかし、何より驚いたのは「引き渡し訓練」
災害や不審者侵入が発生した際の訓練として、親が小学生の子どもを引き取りに行くのだ。
学校側の狙いはや思いは分かるが、この訓練のために仕事を切り上げるのもツラいところだ。
熱中症アラート
最近は、地球温暖化が指摘されているが、小学校にもその熱波が押し寄せている。
前日の時点で、翌日の熱中症特別警戒アラートが出ると、翌日は休校になるのだ。
台風などでの休校は経験しているが、暑すぎるからというのは初体験だ。
小学校が休みになっても、大の大人が「暑すぎるから仕事を休みます!」で通用するのだろうか?
ますます「子連れ様」という揶揄が盛んになってしまうだろう。
解決策とその課題
今まで挙げてきた「小1の壁」。
これだけ社会を賑わしているだけあって、家族が1年だけ我慢すれば済む問題でもない。
なにか、有効な解決方法はないのだろうか?
以下に、よく言われている解決方法を挙げてみた。
学童保育の拡充
学童保育の定員を増やし、開所時間を延長することが求められている。
また、質の高いケアと学習支援を提供するためのスタッフの充実も重要。
しかし、財政的な制約や人手不足の問題から、実現には時間がかかることが多い。
フレックスタイム制度やテレワークの導入
企業側がフレックスタイム制度やテレワークを導入することで、保護者が仕事と育児を両立しやすくする取り組みが進められている。
これにより、保護者が柔軟に働く時間を調整でき、子どものケアがしやすくなる。
しかし、全ての職場でこれが可能とは限らず、特に製造業やサービス業など、現場での労働が必要な職種では難しい。
地域コミュニティの活用
地域コミュニティの支援を活用することも一つの解決策。
地域のボランティアやNPOが放課後の子どもたちのケアをサポートする取り組みがある。
これにより、学童保育の不足を補い、子どもたちが安心して過ごせる環境を提供することができる。
小1の壁を超えるために
このような小1の壁、上手く超えていくにはどうしたらよいのだろうか。
保護者同士のネットワーク
保護者同士のネットワークを構築し、情報共有や相互支援を行うことが重要。
同じような課題を抱える保護者同士で助け合うことで、問題解決のヒントを得たり、具体的なサポートを受けたりすることができる。
政府や自治体の支援強化
政府や自治体が、小1の壁を超えるための支援を強化することが求められる。
学童保育の拡充や放課後の子どものケアに関する施策を推進することで、保護者が安心して働き続けることができる環境を整える必要がある。
社会全体の意識改革
社会全体の意識改革が必要。
子育てと仕事を両立することの重要性を理解し、職場や地域社会が一体となってサポートする姿勢が求められている。
特に、子育て世代に対する理解と協力を深めることが、根本的な解決につながる。
公務員を退職し独立した意義
私が苦労して合格した公務員を退職したのには、いくつかのワケがある。
娘の「小1の壁」はあくまでもキッカケに過ぎない。
すでに公務員への愛想は尽きていた。
悪い意味で、公務員の行く先も見えていた。
どれだけ頑張っても評価されない構造に、嫌気が差していた。
そんなうっ憤をまとめた記事は、こちらからどうぞ。
『「公務員はつまらない!」私がクソつまらん公務員を辞めたワケ Vol.1【あきれたよろしく圧力】』
まとめ 小1の壁はなくならない
「小1の壁」は、保護者、特に共働き家庭が小学校入学時に直面する課題。
これを解決するためには、
- 学童保育の拡充
- 企業の柔軟な働き方の導入
- 地域コミュニティの活用
- 保護者同士のネットワーク強化
- 政府や自治体の支援強化
- 社会全体の意識改革
が必要とされている。
大事なのは当事者の声
先ほど挙げた取り組みを通じて、子どもたちが安心して過ごせる環境を整え、保護者が安心して働ける社会を実現することが求められているが、小1の壁はカンタンにはなくならないだろう。
なぜなら、施策を立案する政府、中央官僚はもちろん、地方自治体でさえも小1の壁のツラさを実感していないからだ。
正確には、その声が届いていない。
政策を立案する方たちは、小1の壁の期間をパートナーに任せ自らは仕事に没頭いるためだ。
まずは、国会議員やお住まいの地方議員の顔ぶれを見て欲しい。
シニア層のメンツが、見事なまでにずらりと並ぶ。
彼らに、小1の壁の切実さが伝わるだろうか。
そのパートナーのツラさを分かち合いながらも、小1から数年したら「そんな時代もあったよね」と忘れてしまうのだ。
小1の壁を体感した保護者が、議員に立候補する可能性も少ないだろう。
だから育児を含め、小1の壁もなかなか解消されずに延々と残ってしまうのだ。
育児関係者や育児経験者が、もっと立案部門に進出していかないとこの国の現状は変わらないだろう。
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