個人の古物商の取り方、1人でイケる!
「せどり」をなりわいにするには、「古物商」の許可が必要。
メルカリなどで小さくなった子供服やコレクト品を売却していると、よく耳にするフレーズだ。
自分で使用したものなどを売却しても、「古物営業法」には引っかからない。
それこそが、一般人が出品できるメルカリが市場を席捲しているキーポイントだ。
しかし、売買目的で仕入れたものを売却して収益を得ると、古物営業法違反となるようだ。
巷で騒がれている「転売ヤー」が、どこまでこの古物営業法で摘発されているのかは分からない。
しかし、不安なまま不用品売買を続けるのも、どうにもやり辛い。
自らの今後の事業展開も見据えて、この機会に古物商の個人許可を取ることにした。
古物商の許可申請を実際に行なう→つまずきポイント判明
検索サイトで「古物商 申請」と検索すると、行政書士事務所などの申請代行サイトがヒットする。
しかし古物商の申請手数料自体は、19000円(収入証紙)。
それほど高額でもないので、申請代行に数万円の代行手数料を払うのもバカらしい。
そこで自分で申請することにしたのだが、元公務員ながらけっこう苦労した。
誰もが陥りやすいポイントも発見したので、お伝えする。
このサイトでは、実際の古物商(個人)の申請手続きをレポートし、読者さんがスムーズな申請ができるようサポートしたい。
法人の古物商申請については、定款などの添付書類が増える。
しかし概ね同内容となるので、この記事がきっと参考になるはずだ。
せどりに挑戦!私のプロフィール
田舎の県で、地方公務員として約15年間勤務する。
勤務10年目で第二子誕生の際、当時の男性では珍しい1年間の育休を取得。
育児をこなしながらも今後の人生を真剣に考え、公務員を退職して独立。
引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める。
貯蔵していたプラモデル・フィギュアをメルカリで売却していると、売買の楽しさに目覚める。
「せどり」も個人事業の一角に据えるべく、「古物商」の許可を申請。
・くわしくは → 内部リンクのプロフィールへ
古物商申請の落とし穴:『身分証明書』の勘違い
古物商申請をするには、まずは住所地を所管する警察署のホームページを確認。
たいていの都道府県警察の専用ホームページにて、古物商申請に必要な書類などが示されている。
その中で私がハマったのが、『身分証明書』。
ややこしいが、身分証明「証」ではない。
身分証明書は、本籍のある地方自治体が有料で発行してくれるもの。
さすがの東京都の警視庁ホームページでは「戸籍を有する自治体が発行する身分証明書」と、丁寧に案内されている。
私はこれを身分証明証と勘違いしてしまい、
「運転免許証かマイナンバーカードで良いだろう、へへーん」とたかを括っていた。
しかし、警察署で不備を指摘されて書類は不受理となった。
コンビニでも発行できない『身分証明書』
いったん警察署を出た私は、
「これだけ国を挙げて推し進めているマイナンバーカードがあれば、コンビニで発行できるはず」
と淡い期待を抱くも、コンビニでは身分証明書は発行不可。
これもおそらく全国的に同一の扱いだろう。
警察署に持参する住民票(戸籍入り)は、コンビニでも200円で発行可能。
しかし身分証明書の発行については、市役所まで行くしかなかった。
市役所に到着し、備え付けられている申請用紙を確認。
その隅っこの方に、「身分証明書」とあるのでチェックして交付申請。
私の自治体では、発行手数料は300円。
申請、発行、移動時間も含めて1時間はかかった⤵。
「マイナンバーカードで、身分証明ができる」という触れ込みのはずなのに、全然実現されていない。
コラム 古物商申請から考える「身分証明書の存在意義と行政の仕事」
顔写真入りのマイナンバーカードを持っていれば、それで身分証明ができるのではないか。
自治体が発行する身分証明書は、マイナンバーカードの誕生で役目を終えたハズ。
しかし人知れず残っている。
そして、古物商のようにその提出を求める制度も、見直されることなく残っている。
総務省から「手続きを軽減するように」お達しがあっても、「この制度は厳格な手続きが求められる」などと主張し見直されない制度も多々あるのだ。
こういうゾンビみたいな制度は、社会全体で名指ししないと改まることはない。
「優秀」とされる官僚の仕事
組織や自治体内で「優秀」とされる官僚は、とにかく「できない理由」を上手に組み立てる。
法令や過去の事例を引っ張り出してきて、「だからできません」と建前を完成させる。
これをすると、自分の部署の仕事は一時的に増えない。
だからこそ「優秀な官僚」とされ、出世できるのだ。
マイナンバーカードと身分証明書の違い
優秀とされる総務省官僚からすると、
『身分証明書』の成り立ちや目的は、マイナンバーカードとは異なる
と説明しそうだ。
だからこそ(存続の大した議論も無しに)、存続させていることだろう。
そして、身分証明書を発行する地方自治体は総務省の見解に従うしかない。
それを利用する古物商などの各申請制度も、旧態依然のまま変わらないという状況だ。
しかし存続させるくらい大事な制度ならば、住民票と同じようにコンビニ端末から発行できるようにするのが国民サービスというものだろう。
本当に優秀な官僚ならば
本当に優秀な官僚ならば、マイナンバー制度の開始に伴い「身分証明書」制度を廃止するだろう。
廃止することのによる国民のメリットを把握しているからだ。
廃止することで、まず全国の各地方自治体の業務が軽減される。
そして、古物商のように身分証明書の提出を求める各制度も、運転免許証やマイナンバーカードの提示を求めるなどに変更せざるをえない。
関係法令の整備などで、総務省官僚の仕事は一時的に増えるだろう。
しかしそれに伴い、国民の負担や時間は将来的に大きく軽減される。
そもそもマイナンバー担当大臣が、「それもマイナンバーカードでOK」と鶴の一声を発すれば各制度も応じざるを得ないだろう。
ここまで時間効率を考えられない国は、「風習や伝統」という鎧をまとったまま、世界の潮流から取り残されていくだろう。
古物商申請の心構え:相手は警察
古物商申請にあたって大事なのは、「警察署に行く」という心構え。
よって、たいていは気持ちよく申請できるものではない。
警察署は、行政組織ながら「ホスピタリティ」とは無縁の世界だ。
運転免許の部署ならば、そこそこの気配りは見受けられる。
しかし古物商を扱うのは、「生活安全課」。
日頃からそれなりの輩を取り締まる警察官たちが並ぶ。
そして古物営業法は、「盗品などの横流し防止」の名目で施行された法律。
警察署は「市民の安全」という本業の傍らで、その古物商の免許申請を担っているのだ。
善良な市民として申請しているはずなのに、どうしても高圧的な態度を感じてしまう。
申請前の事前準備
警察署も忙しいので、申請に関する事前準備はバッチリにしていきたい。
まずは、自身の営業場所を所管する警察署を検索。
事前に担当課に電話して、申請に行く日時を確かめておくとよい。
そして警察署のホームページから、申請様式をダウンロードし完璧に記入しておく。
住所は自身の住民票と一言一句そろえ、「〇〇県」なども省略しない。
古物商申請の注意:収入印紙ではなく、収入証紙
古物商の申請「手数料」として、19000円分の収入証紙が必要。
これは国の「収入印紙」ではなく、都道府県の収入に充てられる「収入証紙」。
間違えると「返金不可」だったりして、痛い目をみる。
申請用紙には貼らずに持参する。
私が申請した際は、内容が形式的にOKということで最後に用意してくれる別紙に貼付した。
警察署でも購入できるが、ソン!
収入証紙は、多くの場合は警察署でも購入できるようだ。
カード決済ができるかどうかはマチマチだろうが、あまり期待できない。
収入証紙は切手などと同じく、ショッピングセンターのサービスカウンターでも購入可能。
カード決済やその施設のポイントカードがあれば、19000円に対応したポイントがもらえるので断然お得。
警察署での証紙購入は、最後の手段くらいで考えるとよい。
欠格条項に引っかかると、返金不可
形式的にOKだった申請書類は、警察署で正式に受理される。
ここから欠格状況の審査にかけられるが、これに時間がかかるのだ。
警察お得意の「犯罪歴がないか」などが調べられる。
ここで悲惨なのは、この欠格条項に引っかかると収入証紙の19000円は戻ってこない。
古物商は申請の「手数料」として扱われているので当然返せないという、非情な理屈だ。
「では、この審査に19000円分の行政コストがかっているのか?」と意地悪に聞きたいが、誰も答えられずに、警察官にすごまれて終わりだろう。
まとめ 古物商免許は個人で何とかできるレベル
なんとか申請書を受理してもらったが、許可が下りるまでに最長40日間はかかるとのこと。
早急に事業を展開したい方にとっては、けっこうな時間かもしれない。
申請を振り返ってみると、『身分証明書』を含めばっちり用意しておけば、1時間もかからないもの。
法人の申請では少し書類や記入箇所が多くなるが、大差はないだろう。
行政書士への依頼料は不明だが、これならば個人で何とかなるレベルだ。
ただ、旧態依然の制度に愕然としたり、警察署でのの接遇態度にショックを受けるだろう。
広い心をお忘れなく。
あわせて読みたい注目記事
・教育関係でこんな記事も書いてます わが子にズルをさせないために!(内部リンクへ)
コメント