子どもや自身を暴力から守る
近頃のニュースでは、まちなかや公共の場などでの暴力事件をよく目にする。
特に子どもが巻き込まれた事件は、本当にいたたまれなくなる。
国内の不景気のあおりなのか、国民のうっ憤が溜まっているのか。
日本の暗い未来を考えると、このような事件はますます増えていくのかもしれない。
そんな不安な方に私が経験した業務の中から、使える防犯対策をピックアップした。
自身だけでなく大切な子どもや家族を守ってもらいたいので、ぜひ最後まで読んで欲しい。
この記事では、まちなかと職場などの窓口の2ケースを考察する。

地方公務員を退職した私のこと
地方公務員として約15年間勤務するなかで、公立病院で院内暴力対策の任務を3年間務めた。
公務員で単なる事務職が、全くの畑違いの暴力対策を任されて困惑した。
しかし、イチからしっかりと暴力対策や防犯の知識を積み上げることができた。
県内最大の警察署の長を務めた警察OBと、一緒に病院の暴力対策を練り上げた。
勤務10年目で第二子誕生の際、当時の男性では珍しい1年間の育休を取得。
育児をこなしながらも今後の人生を真剣に考え、公務員を退職して独立。
引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める。
もっと細かく知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)
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A まちなかで暴力に遭遇した場合
まずは、まちなかで暴漢などに遭遇した場合を説明する。

子どもを暴漢の視界から隠す
「捕食者は、群れから逸れた弱小個体を狙う」のとおり、暴漢も本能から。身体的に弱い子どもを狙う傾向がある。子どもの手を決して離さず、保護者の後ろに移動させ、暴漢の視界から隠すことが必要である。
(冷静に)騒ぐ
大声で叫び、周囲の人々に助けを求めることが重要。暴漢が周囲に気づいた場合、逃げるか、攻撃をやめる可能性が高くなる。
逃げる
暴漢の間合いから離脱可能なら、すぐに離脱する。近くに安全な場所があれば、そこに移動。
抵抗しない
暴漢に対して抵抗すると、その興奮を刺激する可能性がある。できるだけ落ち着いて、自分が無害であることを示す。
警察に通報
身の安全を確保したうえで、警察に通報する。その際、暴漢の特徴をできるだけ具体的に伝える。
防犯グッズ
防犯ブザー、タクティカルペンなどを携帯しておく。ただし、過剰装備とならないよう法律の規制には十分ご注意いただきたい。
また、いつもカバンを携帯していると、有効な盾となったり、暴漢との距離を取れたりなど有効活用できる。
暴漢に遭遇した場合
暴漢に遭遇した場合、できるだけ冷静に対処することが重要。俯瞰的かつ客観的にその状況を理解できれば、けがを負うリスクはグッと下がる。
そして、周囲の人々に助けを求め、逃げることができるならすぐに逃げる。
また、警察に通報することを忘れずに、日頃から自己防衛のための準備をすることも大切。
おまけ1 護身術
自身の身を守るための護身術というテクニックがある。
ボクシング、柔道、空手などの格闘技など専門的なトレーニングを想像される。
しかし、身の捌き方など、初心者でもすぐに実践できるものがある。
おまけ2 危機察知
暴漢に遭遇する前の心構えとして、事前の気配察知も重要。
群衆の中で動きが不審だったり目が虚ろな人からは、距離をとるようにする。
特に子どもと一緒にいるときは、より一層の距離を取り、最初から近付いていかないようにする。
保護者として神経を張り巡らせる必要がある。
B 職場などの窓口で暴力に遭遇(発生)した場合
次に、接客対応の業務などで、お客が暴れた場合について説明する。

冷静になる
お客が怒り出したとき、まずは冷静に対応することが重要である。怒りに対して同じように反応してしまうと、状況が悪化する可能性がある。
考え方
×「やばい、怒っているよ~。どうしよう」
〇「こんなことで怒ってやがる、バカだな~、屁理屈を聞いて矛盾を指摘してやる」
ぐらいで思っていると、自身が冷静になることができ、客観的な判断ができるようになる。
話を聞く
お客の不満やクレームを、あいづちを交えながら、ひとおとり聞く。そのうえで原因を確認することが大切である。不満やクレームがある場合、解決策を提供することで問題を解決することができる。
マニュアルに従う
窓口業務を行う際には、企業や店舗で事前に定められたマニュアルに従うことが重要である。
マニュアルには、お客とのトラブルが起こった場合の対処法が記載されている。
個人的には好きではないが、マニュアルに従った対応ならば、組織から個人的責任を追及されない。
威圧
職場のカウンター内(職員側)に、さすまたなどをお客に見えるように配置しておく。
1本5,000円ほどで購入可能で、2,3本は職場に配置するのが望ましい。
特にさすまたについては、壁などにワンタッチで取り付けられる便利器具(約1,000円)も販売されている。

安全確保
お客さんが暴力をふるう場合は、自分自身や他のお客の安全を確保するために、ほかの職員や周囲の人々に協力を求める。
暴力発生前に、大声などの恐喝の段階でも警察へ通報する。
窓口業務の場合は、カウンターを自ら越えない、お客に越えさせない。
暴力を振るうお客(暴漢)に近づくと、自分自身の安全を危険にさらす可能性がある。
常に、お客と一定の距離をとることを忘れずに。
時間稼ぎ
収拾がつかないようであれば、職員ら大人数で囲み、プレッシャーを与える。
さすまたなどの防犯用具を複数用意しておくと、さらに効果あり。
ただ、そこで暴漢を取り押さえることは、かなり難しく自身のけがを負うリスクも高い。
あくまで警察が来るまでの「時間稼ぎ」という認識が望ましい。
カウンターがない場合の装備
私は、あくまでも「メモ用!」と称し、頑丈な決裁板を常に携帯していた。
自らの身体を守るため、刃物が貫通しないような頑丈なものを用意した。
見た目も事務職に見事にマッチ、違和感なし。
あらかじめのトレーニング
接客などの窓口業務を行う場合、あらかじめ危機対応のトレーニングを受けることが有効である。
クレーム処理やお客とのコミュニケーションの技術を磨くことで、トラブルに対処するスキルを身につけることができる。
また、書籍や動画などで、心理学のようなスキルを学ぶことができる。
このようなスキルを得ると、自信が顔に表れ、言いがかりなどのクレームも発生しにくくなる。
【注意】自身を過信しない
格闘技経験者に注意してもらいたいことがある。
それは自身の身体能力を過信しないことだ。
まず大事な認識だが、暴れる人間を取り押さえることはとても難しい。
さらに、ひとりで素手で取り押さえるのは、なおさら難しい。
もしも現役の格闘技のツワモノならば、その格闘スキルで制圧できるかもしれない。

しかし、格闘技経験者であっても、自身の身体の衰えにより思うように身体が動かなかったり、相手が凶器を持っていたりすることもある。
そして、相手を刺激するあまり、最悪の結果を招くことがある。
格闘技経験者であっても、自身の戦闘能力を過信しないことが大切。
格闘技経験者の現実的な対応としては、暴漢との間合いを取り、防犯用具を持った職員と連携し暴漢にプレッシャーをかけ続ける。
そして、警察の到着までの時間を稼ぐことが望ましい。
多少腕に覚えのある男性は、「ひとりで取り押さえてやる!」と意気込むことがある。
しかし、そのような逸る気持ちは悲劇を招くことが多いので、静めてほしい。
頼りになる防犯用具
私は病院勤務から異動となったが、次も関係者から暴力の不安を感じる職場であった。
所属長に何度も声を上げても、情けないことに「さすまた」さえ配置されなかった。
そこで、自ら「特殊警棒」を購入(約2,000円)。
これが、実物の特殊警棒 ↓
持ち歩くときや携帯時は、約20cmとコンパクト。

非常時にサッとひと振りすると、このように60cmくらいに伸びる。↓

硬くて、重い(約2キロ)!
試しに自らの足を軽く打ち据えると、骨まで響く衝撃だった。
実戦では一度も使用しなかったが、その機会が来なくてよかった。
防犯用具は、奪われると凶器になる
このような防犯用具は、いつも自身を護ってくれるとは限らない。
実は、特殊警棒などを暴漢に奪われると、逆に大きなピンチとなる。
大柄な男性暴漢に武器を掴まれたら、きっと腕力で奪われてしまうだろう。
取り扱いに不慣れな素人には、あまりおススメ出来ない代物である。
また、さすまたなどの防犯用具は、複数での運用が基本である。
現実的な対応として、
「複数のさすまたで暴漢にプレッシャーをかけ続け、一定の距離を保ち時間を稼ぐ」
が望ましい。
まとめ 常に冷静に対処し暴力から身を守る
いろいろと説明したが、最も大事なのは、「すべての状況において、冷静さを保つこと」。
その場その場における冷静な判断が、状況を好転させていくことを覚えておいてほしい。
あなたがいなくなったりケガをしたりすることで、悲しむ人がいるはず。
くだらない暴力や暴漢により、あなたやご家族が不幸にならないことを切に願う。

身を守る知識があるだけで、かなり結果が違ってくるね

暴言や暴力は、絶対に許さん
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