公務員のほとんどは事務仕事
「事務」という言葉は、範囲が広い。
『広辞苑』によると、
「事業経営などに必要な各種の仕事。主として机に向かって書類などを処理するような仕事」
とのこと。
市役所などで目にする公務員は、ほとんどこのようなイメージだろう。
そして圧倒的に座って仕事をしている職員が多い。
ただ、座っているだけで給料をもらえる職員はめったにいない!
裏を返すと、ごくわずかに存在する。
今回の記事は、私が公務員として働いていた際のお話である。
公務員の仕事において、公務特有のとても忙しい「繁忙期」というものがある。
分かりやすい例では、決算後(会計年度は4月初~3月末)の5~6月などは、前年度の数値の取りまとめに多大な時間を割かなくてはならない。
私は、この時期が最も苦痛であった。
そもそも、このような実績や数値の取りまとめ作業について、私は嫌いだった。
ただ、苦手ではなかった。
その能力を見込まれ、例年幹部が行っている取りまとめ作業を丸投げされていた。
ここでツラいのは、
その繁忙期に取りまとめ作業を行いながら、通常の窓口業務&電話対応にも漏れなく従事すること。
今回の記事は、そんな繁忙期に4日連続で各利用者から同様のクレームを受けたことに端を発する。
浴びせられたクレーム
「座っているだけで給料もらえるくせに(怒)」
これは、公務員の方がよく浴びせられるクレームかもしれない。
先で説明した繁忙期に、私は奇跡的にこの言葉を4日連続で浴びせられた。
もちろん、全て別の利用者からである。
「インフルエンサーの影響で流行っているのか?」と疑い、検索したほどである。
利用者からすると、処理する時間の長さ、もしくは公務員の対応が気に入らなかったのか。
現場の窓口で必死で対応している職員にとっては、とても残念な言葉である。
そもそもこのようなクレームは、主に「昔の公務員」に対してのイメージである。
強いて言えば、シニア層やパソコン作業ができない職員に当てはまるところがあるかもしれない。
しかし、そのような職員が存在する反面、若手には面倒なパソコン作業が回ってくる。
そのため、若手はその分の時間を割かなくてはならない。
そう座って事務作業をしている職員の中には、いつも取りまとめ作業の締め切りに追われて、必死に働いている若手の公務員がたくさんいるのだ。
公務員を辞めた私のこと(プロフィール)
田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。
前職の経歴と風貌から、税金の徴収係などハードな部署に回され続ける。
2020年の第二子誕生の際、男性では珍しい1年間の育休を取得。
復帰後、滞納税徴収を担当した2年間で目覚ましい成果を上げる。
しかし、年功序列の組織内で全く評価されず幻滅。
育児をこなしながらも、今後の人生を真剣に考え公務員を退職して独立。
引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める。
・もっと知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)
シニア層公務員の言い分「経験を積め」
シニア層の公務員は、職場にかかって来た電話に出ない。
まず出ない。
いろいろ言い訳して、出ない。
何か別の作業に没頭するふりをして、出ない。
他の職員がおらず、電話が鳴り続けていても出ない。
日常的に電話に出るのは、パソコン作業に追われている若手職員や嘱託の補助員さんである。
シニア層はだいたい、
「電話に出ることで、対応経験を積んだりスキルが上がるんだ」
と、謎のありがたーい教訓を述べる。
このようなシニア層も、若手時代に電話対応や雑務をさせられ、「40、50歳代になれば、楽できる!」と信じてやってきたのだろう。
そのため、
Aiなどで業務の見直しが行われないと、この動きの悪いシニア層が常に一定数発生してしまう。
まとめ 公務員は事務仕事ゆえに
「座っているだけで給料もらえる」公務員は、昔のイメージである。
まれに職場のすみっこのほうに、そのような公務員は生存している。
もしくは、電話に出ようとしないシニア層公務員も、そのように見えてしまうのかもしれない。
ただ、一般的にシニア層に対しても効率を度外視したうえで、それなりの業務が割り振られていることが多い。
この投稿で最も強調したいのは、
窓口&パソコン作業に奮闘する若手・中堅職員に対して、このような心無いクレームは的外れということだ。
パソコン作業ができる職員には過剰に仕事が割り振られ、上司も見て見ぬふりをしていることが多い。
もしも、今後Aiによる業務の抜本的改革があれば、
「座っているだけで給料もらえる」公務員というのは、完全に消滅するのかもしれない。
しかし、残念ながら公務員の世界において、
「自らの食い扶持を減らす改革」には、職場組合を挙げての大反対運動が巻き起こる。
組合は「通常業務を減らせ、残業させるな」と主張することが多いが、ここでは高度なバランス行動を見せてくれる。
余談:利用者の視点(納税相談)
余談として、利用者として公務員の接遇レベルを考えてみた。
所得税控除のため、最寄りの税務署に電話相談をした際の話である。
税務署は国税庁の管轄であり、各主要都市に設置されている。
毎年3月の確定申告時期になると、税務署前には確定申告に長蛇の列や、駐車待ちの渋滞が発生し、「何か話題のお店がオープンしたのか?」と勘違いしてしまうことがある。
一般国民は納税について詳しく理解していないので、税務署では電話で納税相談も行っている。
税務署職員からすると、低レベルの国民を相手に嫌な業務かもしれない。
私が最寄りの税務署に電話をかけると、対応した職員は明らかに不機嫌そう。
悪い空気を察して、こちらもかなり丁寧な言い回しで説明。
概要をさっと理解すると、「ああ。そんなのだめですね。認められません」と一蹴。
このような電話相談はさっと終わらせて、自らの業務を進めたかったのか。
税務署の職員は、国税専門官としての難関試験をパスし、みっちり税務の研修を受けた公務員の中でも優秀なエキスパート。
しかし、「傾聴」や「共感」などの基本的な対人スキルを身に着けたほうが良いですね。
さてもさても、日本代表ストライカー顔負けの一蹴だった。
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