高騰する物価の強い味方 日産サクラ
ロシアによるウクライナ侵攻、歴史的な円安によって、日本国内の物価インフレは高止まり状態。
食品だけでなく、ガソリン価格や電気料金もしっかりと値上げされる。
「車の維持費用が、ばかにならない!」と嘆くなか、ようやく納車された日産の電気軽自動車サクラ!
2022年の5月に発注してから、半年以上かかり12月中旬に納車。
「国の補助金55万円が終了するかも」と、ディーラーのお兄さんから心配されながら、なんとか納車にこぎつけた。
「電気自動車は使い勝手が悪い!」などと言われながら、実際に自宅に太陽光発電&充電池を設置し、サクラを半年以上運用した。
この記事を読むと、実際にサクラを運用して分かったメリットや使い勝手が分かる。
購入するかどうか迷っている方の手助けにもなってくれると、とてもうれしい。
充電式の日産サクラ、実際の航続距離は?
サクラ(SAKURA)とは、どんな車なのか。
2022年5月に、日産自動車が軽の電気自動車として発売。
(三菱自動車の「ekクロスEV」と共同開発)
日産が販売していた普通電気自動車「リーフ」から蓄電池の容量をあえて減らし、走行距離、価格を抑え、街乗り用の軽自動車に特化させたとみられる。
サクラ及びekクロスEVは、2022年の「日本カーオブ・ザ・イヤー」を受賞。
気になる航続距離は、フル充電時のカタログ数値で約180キロメートル(WLTCモード)。
実際に蓄電池の残量が20%を下回ると、モニターにアラートが表示される。
実際の航続距離
半年以上サクラを運用した現在、フル充電でモニターに表示される航続距離は、160km。
夏や冬でエアコンをいれると、135kmくらいに低下する。
3、4日に1回の充電に気を付ける必要があるが、街乗りや子どもの送迎には十分活用できる。
駆動用バッテリーと充電時間
駆動用バッテリーは、20kWh。
サクラの電池が空の状態からフル充電までかかる充電時間は、以下のとおり。
① 急速充電器 | ②普通充電器(2.9kW) |
約40分 | 約8時間 |
実際は、家庭の200Vコンセントで一晩充電していれば、満タンになる計算である。
サクラには充電タイマーが装備されている。
深夜時間帯の午後11時から午前7時までの間でセットしておくと、おトクに充電できる。
ラインナップグレード
S,X,Gの3グレードで、発売当時の価格帯は233~294万円ほど。
日産:サクラ [ SAKURA ] 軽自動車 Webカタログ トップ (nissan.co.jp)
ディーラーによると、2023年の年始時点で発注しても、納車が1年以上かかるとのこと。
2022年の12月、本体価格を5%ほど値上げすると発表された。
なお、サクラ購入時に試みた車をおトクに購入する方法はこちらの内部リンクへ ↓
『〈日産の軽自動車サクラ購入に際して〉自動車をおトクに購入するコツ』
日産サクラ 車内の使い勝手
我が家ではサクラの後部座席に、幼児用のチャイルドシート2席を設置。
毎日の保育園の登園時や、市内の買い物時にも利用している。
私自身は初めて軽自動車を購入したが、たしかに横幅は狭い。
後部座席のチャイルドシート同士の隙間がほとんどなく、本が数冊おけるくらい。
軽自動車特有の悩みだが、子ども同士の手が届くのでケンカになりやすい(泣)
良いのか悪いのか、エンジン音が静かな分、後部座席から子どもの声がよく聞こえる。
幼児を抱っこで、乗り降りさせやすい
車高が高いので、乗り降りは楽である。
今まで乗っていた小型普通車に比べ、2歳児を抱っこして乗せるのがかなり楽になった。
前後の長さも特に気にならないが、後ろから幼児が運転席のシートを蹴ってくる。
そのため、運転席と助手席の後ろに汚れ防止シートを設置(100円ショップで購入)。
電気自動車特有のエンジン
エンジン音は、とっても静か。
ギアの切り替え、パーキング、シフトブレーキが独特なので、慣れるまで時間が必要。
またこれに慣れると、他の車で違和感を感じるようになってしまう。
発進は驚くほどスムーズ。
クリープ現象もないので、慣れないうちは最初の踏み込みで、ガクン!となってしまう。
冬の一番の問題点として、エンジンの排熱がほとんどないので、サクラの車内は寒い。
そのため、冬の運転時にはエアコンを必ず入れるほか、座席シートなどの断熱グッズを買い足した。
運転席周りはおしゃれ
運転席及び助手席のフロントパネルは、まるでタブレットのような感覚。
空調系のスイッチもすべてタッチパネルなので、ボタンを押した感覚がない。
この独特の間隔に、慣れるまで困惑してしまう。
全体的に平面のパーツをおしゃれに配置しており、その他の収納もしっかりと工夫されている。
盲点 お気に入りのアイテムが装備できず
我が家は、最も安いSグレードを購入(当時の車両本体価格2,333,100円)。
しかし、ここで大きな問題が!
なんとサクラのSグレードには、アームレストコンソール(運転手左側にある収納付きのひじ置き)が付けられない。
18,500円かかるが、これの有る無しで運転の疲労度が大きく異なってくる。
私にとって、SグレードとXグレードの大きな違いを痛感した瞬間だった。
トランクはやはり軽自動車サイズ
トランクは、かなり狭く感じてしまう。
買い物かごが横向きに入る長さは、なんとか確保されている。
トランクのパネル下に、充電ケーブル(別売り)を格納できるスペースがあるので便利である。
充電ケーブルは玄関先に置いておくと、トランクを開け閉めせずに充電できるので便利。
サクラの充電口は鍵がついていないので、いつでもだれでもワンタッチで開け閉めできる。
やや不用心だが、充電時には手間がかからず助かる工夫である。
日産アリアと比べてみた
サクラを購入するにあたって、
「幼児二人+私たち両親の家族4人で、軽自動車は狭くないか?」
という不安がよぎった。
そのため、日産のSUV電気自動車・アリア(ARIYA)も実際に試乗してみた。
アリアは確かに広く、ゆったりと車内で過ごすこともできる。
1回充電あたりの走行距離も約470kmと、サクラの3倍はある。
トランクも申し分のない広さであった。
お値段は539万円から。
国の補助金は最大92万円、さらに東京都民は+45万円という具合。
我が家では、次の購入自動車の用途を「保育園の送迎、市内の買い物」に限定していたので、ここまでのスペックは必要ではなかった。
もしも遠出する場合は、もともと持っていた普通ガソリン車の使用を考えている。
大きさ、価格、用途も考慮し、サクラに落ち着いたのである。
日産:日産アリア [ ARIYA ] Webカタログ トップ (nissan.co.jp)
日産サクラ購入のメリット
サクラ購入のメリットをコスト面から考えてみる。
購入時の補助金
サクラの購入にあたり、国から補助金55万円が支給される。
しかし、これは納車から約半年後に振込予定とのこと。
さらに、東京都民は都から45万円の補助が支給される。
都内の特定区では、別途10万円の補助金が支給されるところもある。
つまり、合計で補助金110万円になる地区もある。
実質125万円ほどで、軽の電気自動車が購入できることになる。
充電料金
気になる充電料金を、家庭の深夜電力の場合で計算すると
約16円×16KW(サクラの電池容量を8割で充電)=256円
→ この256円ほどで150kmを走行できる。
ガソリンと比べると驚くべき、価格差である。
【ガソリン代の比較シミュレーション】
(年間4,500㎞走行を想定)
日産サクラ(電気軽自動車) | ガソリン自動車(燃費15km/ℓ) |
4,500km÷150km=30(回の充電) 30×256円=7,680円 | 4,500km÷15=300ℓ(年間のガソリン量) 300ℓ×160円=48,000円 |
年間のガソリン代で、約40,000円の差が発生!
普通自動車→軽自動車に乗り換えるとおトク
普通自動車を軽自動車に乗り換えると、自動車税種別割が10,800円となる。
自動車税だけでも、毎年約20,000円の出費減
電気自動車は、エンジンオイルの交換が不要
6か月点検に持って行って分かったことがある。
サクラは電気自動車のため、エンジンオイルの交換が不要だった。
ガソリン自動車ならば、年2回交換するとして、4,000円×2回=8,000円のコストカットとなった。
我が家の発電&蓄電システム
我が家では、カーポート上に事前に太陽光自家発電システム(4kW)及び、宅内に蓄電池を設置。
これらは、高騰する電気料金を危惧し2022年初旬に購入・設置したもの。
カーポートは耐雪用の頑丈なものにしてあったため、そこに太陽光発電のパネルを搭載することができた。
電気自動車の充電については、実際に200V(ボルト)コンセントがあれば、充電自体はできる。
あくまで、”動く家電”という認識で問題ない。
サクラから電気を取り出すなど、電気自動車を”電池”として使用するならば、蓄電池に併せ自宅にV2Hなどの設備を設置する必要がある。
充電時間の悩み
サクラには日中の太陽光発電による充電を考えていたが、実情は厳しかった。
まず、サクラの充電には2.9kWの電気が必要である。
自宅の太陽光発電では4kwであるが、少しでも曇っていると2.9kWを下回ってしまう。
サクラの充電に足りない分は、蓄電地から賄うか、日中の割高電力を購入することになってしまうのである。
そこで、我が家では、深夜の安い時間帯で充電することにした。
ケーブルの抜き差しや窃盗などの心配もあるが、ガソリンスタンドでの給油と比較すると、ずいぶんと楽である。
さらに、我が家では、蓄電池の設置で容量をケチってしまった。
ニチコンの蓄電池のため、容量の増設工事ができる。
それでも追加工事は割高になるので、最初にまとめて大容量で設置しておけばよかった。
夕方の帰宅後に調理家電を使うまではよいが、深夜の洗濯乾燥機の電力全体までは蓄電池分で賄うことができない。
そこで、安い深夜電力で蓄電池への充電を1時間くらい行っている。
契約容量の悩み
ここで困ったことに、深夜電力の時間帯でサクラへの充電が加わったため、契約アンペアを超えてブレーカーが落ちてしまうことがあった。
これは蓄電池への充電時間帯を調整することで、回避できた。
しかし、それに至るまでのライフスタイルの変更に、妻と一緒に頭を悩ませることになった。
もしアンペアを一段階上げると、深夜電力の容量を気兼ねなく使える。
しかし、電気代の月額基本料金が約500円上がってしまい、悩ましいところである。
日産サクラを買っても、まちなかの充電インフラは大丈夫?
電気自動車の運転において、充電の心配はつきものだろう。
しかし、近年の電気自動車の普及に伴い、充電インフラをよく目にするようになった。
日産の充電スタンド
日産のディーラー各店舗には、急速充電器と普通充電器が設置されている。
これは。月額制のサブスクリプション契約である。
契約には主に3プランあり、月額2,750円~9,350円。
高額になるほど10分あたりの急速充電料金を安く設定してある(385円~275円/10分)。
また、月額550円で、急速充電550円/10分のシンプルプランもある。
私は名義登録だけ済ましてある。
街中で電欠のときは日産のディーラーに駆け込み、このシンプルプランに加入する手はず。
ショッピングセンターの充電スタンド
さて、郊外でよく見かけるショッピングセンターのイオンでは、急速充電器が複数設置されている。
1回30分の急速充電で300円、サクラなら8割~9割は充電できる。
一時期イオンの充電器は無料であったが、有料化された。
それでも、この利用料金は良心的だと感じる。
その他コインパーキングなど
近年、充電器が併設されているコインパーキングも散見される。
値段はまちまちのようである。
これからサクラを購入される方は、まず自宅に200Vコンセントを整備し、夜間電力利用をお勧めしたい。
まとめ 日産サクラ 実際の航続距離は運用次第
サクラの購入後、私は電気の使い方に多いに頭を悩めることになった。
太陽光発電はカーポート目いっぱいの設置だったが、蓄電池は容量をケチってしまったことに後悔している。
毎日の天気だけでなく雲の多さまで気にするようになった。
やはり、スカイハイ!の天気が何よりなのである。
燃料費の高騰などにはそれほど頭を悩ませることがなくなったが、新たな悩みが増えたかもしれない。
今回のサクラ登場によって、“軽の電気自動車”という新ジャンルが国内で展開された。
マイホーム購入、太陽光発電設備の導入というタイミングにおいて、
特に子育て世帯には、サクラなどの電気軽自動車は大いに検討する価値があるのではないか。
このサクラを皮切りに、子育て世帯に嬉しい電気自動車が展開されることを期待する。
ご心配の多い実際の航続距離も、「街乗り」と割り切ってしまえば快適に暮らしていける。
子供の乗り降りにとても楽なので、次はスライドドアの電気自動車を期待したい。
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