マック問題にみる。ハッピーセットの転売ヤーとおもちゃせどりをする人は何が違うのか?

第1章 マックのハッピーセット問題と転売ヤー

 2025年8月、日本マクドナルドの販売する「ハッピーセット」が注目を浴びる。

スペシャルポケモンカードが付いてくるとあって、国内の転売ヤーが色めき立っていた。

販売初日から、メルカリでは当のポケモンカードが大量出品された。

フリマアプリ上では見慣れたいつもの光景ではあるが、

  • 子どものための商品が高値転売のために大量出品されて、子どもが手に入れられない
  • カードだけ入手し、食べ物は廃棄される

など、今回は特に非倫理的な面が国内マスコミにクローズアップされた。

このような社会的批判を受けてとうとうマックも重い腰を上げて、「当面のハッピーセット販売中止」を決定した。

(翌9月、店頭販売のみに限定・個数制限の形で早くも再開)

罪深きおもちゃせどり

 時はさかのぼり、時は前年の12月初旬。

クリスマス商戦真っ只中の家電量販店には、棚の前で立ち尽くす小さな親子の姿があった。

小さな手が指さしたのは、テレビで何度もCMを見ていた人気キャラクターのおもちゃ。

しかし、そこには「完売」の赤い札がぶら下がっている。

親はスマホを取り出し、他店の在庫を探すがどこも「売り切れ」。

泣き出した子どもをなだめる声が、店内にこだまする。

 なぜ、こんなことが起きているのか。


答えはシンプル、おもちゃせどらーによるせどり、もしくは転売ヤーの仕業だ。

彼らは、新品の店頭のおもちゃを大量に買い占め、ネット上で高額転売を行なう。

その背景にはおもちゃを欲しがる子どもではなく、“利益を求める大人”の手に優先的に渡ってしまう現状がある。

本当にさもしい国になったものだ。

中古品せどりを行なう私のこと(プロフィール)

 田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。

前職の経歴と風貌から、税金の徴収係などハードな部署に回され続ける。

第2子誕生の際、男性では珍しい1年間の育休を取得して人生を見つめ直す。

子どもとの時間を最優先にして公務員を退職・独立、いろんな稼ぎ方を試す。

なんでもこなす百姓ライフを目指し、小規模農業、ブログ運営、せどり&海外輸出を展開中

子どもとおもちゃ売り場に行く度、空気の読めないせどらー(転売ヤー?)にうんざりしている。

 くわしくは、内部リンクのプロフィール

第2章 “せどり”というビジネスモデルの実態

 「せどり」とは本来、古書店で安く仕入れた本を別の場所で高値で売る行為を指していた。

しかしターゲットは、おもちゃ、ゲーム機、限定コラボグッズなど、多岐にわたる。

特におもちゃ市場は、人気シリーズの新商品発売時に“せどり屋”が群がる温床となっている。

  • 発売日の朝4時、店舗前に行列ができる
  • Bot(自動購入ツール)でオンライン予約を即座に完了
  • 手に入れたおもちゃは、その日のうちにフリマアプリで3倍の価格で出品

たとえば定価7,800円の変身ベルトが、翌日にはメルカリで29,800円で売られている。

買えなかった親たちは涙を飲み、転売価格で購入するしかない状況に追い込まれる。

 数年前に副業ブームがあったが、それもこの流れに拍車をかけた。

SNSでは「新品おもちゃのせどりで月30万円稼ぐ方法」という情報商材や専用のアプリが氾濫し、初心者までもが店舗を駆け回る。

こうして市場はさらに過熱し、“おもちゃを本当に必要とする子どもたち”が遠ざけられてしまう。

マックのハッピーセットまで狙われた

 このせどりブームの流れは、おもちゃ繋がりからマックのハッピーセットにまで波及した。

そもそもまっくのハッピーセットは、200円くらいで買えそうなプラスチック製玩具が多い。

全体的に、アニメとタイアップした簡易的なギミックのものが多い印象だ。

それをジュースとハンバーガーなどをセットにして540円くらいの価格帯、どこにでもある「お子様セット」のようなものだ。

 しかし、おもちゃが人気アニメやゲームとのタイアップになると人気が過熱し、販売日からフリマアプリに出品されることになる。

 そもそもこのようなお子様セットを、大の大人が買うことが恥ずかしいことであったはずだ。

一般的なレストランでは、お子様セットには年齢制限を設けているところが多い。

しかし、マックは「ハッピーセット」と名称をぼかし、年齢制限も加えていない。

今回の騒動を受けてもそれは同様だ。

マック側からは、供給分が売れれば何も問題なし!という魂胆が透けて見えた。

せどりのせどらーと転売ヤーの違いとは?

 この数年で、せどらーと転売ヤーの違いがあいまいになったように強く感じる。

 もともとせどりは、中古市場から掘り出し物などを安価で「発掘」し、それを欲する購入者にそれなりの価格で販売する行為だった。それを行なう人をせどらーと読んでいた。

この発掘と売れた際の喜びが楽しく、私も事業の1つとして楽しみながら携わっている。

 一方転売ヤーは、新商品など新品の商品を大量に買い占めることで、メーカーの供給を遮断し市場価格を吊り上げる。

そしてその上昇した価格で販売し利ざやを稼ぐという、非倫理的なものである。

在日外国人による集団戦法(人海戦術?)という指摘もあるが、田舎暮らしの私はその光景を見たことがない。

 せどらー側は数年前から、「転売ヤーとは違う!」と何度も主張しているが、国内の不景気の闇がそんな声を呑み込んだようだ。

せどりのブームは、専用ツールの開発&多数の参入者により、みるみる利益が圧迫されるようになった。

その結果、安定した需要と定期的な新商品が投入される「おもちゃ市場」が恰好のターゲットとなる。

真っ当なせどらーも自分を正当化しつつ、こども向けのおもちゃを入手しに行くハメになった。

せどりの旨味が少なくなった分、転売ヤーに成り下がっていった者が多いとも言えるのか。

そもそも、自分が使いもしない新品おもちゃを買いにならぶことで、充分に転売ヤー要素だと感じる。

 この記事において、おもちゃせどりを行なう「せどらー」は、転売ヤーとほぼ同義として展開する。

第3章 転売ヤーたちの犠牲になる子どもたちと親たち

 近年のSNS上では、こんな投稿が目立つようになった。

  • 「朝6時から並んだのに買えなかった。クリスマスどうしよう…」
  • 「メルカリ見たら3倍の値段。子供には内緒にしてるけど涙が出る」
  • 「予約サイトがBotに独占されて一瞬で完売、もう疲れた」

 子どもにとっておもちゃは、単なるモノではない。

誕生日やクリスマスのプレゼントは、「特別な体験」そのものだ。

その機会が奪われることは、想像以上に大きな心の傷を残す。

 一方で親は、「買ってあげられない」ことに罪悪感を抱き、やむを得ず高額転売に手を出すケースも少なくない。

結果として、おもちゃせどらーや転売ヤーを儲けさせる“負のスパイラル”が形成される。

第4章 小売店の現場で起きている混乱

 新品おもちゃを狙う転売ヤーの影響は、販売現場にも深刻な問題を引き起こしている。

  • 発売日前日の深夜から並ぶ行列
  • 店頭での争奪戦によるトラブル発生
  • 店員への理不尽なクレーム増加

 対策として、抽選販売や購入制限を導入する店舗も増えている。

しかし、専用ツールによるオンライン予約荒らしにはほとんど対抗できていない。

ある玩具専門店の店長はこう嘆く。

「本当に欲しいお子さんに届けたいんですが、発売直後に転売されている現状を見ると、やりきれないですね。」

量販店には、「転売目的のお客様には販売しません」「一人1個まで」などと張り紙をしている。

しかし実際に取り締まるのは困難で、なかなか効果を発揮していないのだろう。

第5章 ネット市場が“せどり”を加速させる

 新品おもちゃのせどりをここまで深刻化させた最大の要因は、フリマアプリとネットオークションの存在だ。

そこは、転売の温床で、高額でも購入する親がいるため成立してしまう。

限定品は“争奪戦”状態で、落札額は定価の3倍以上になることも。

 プラットフォーム側も「営利目的の転売は禁止」と規約で謳ってはいるが、実際はほとんど機能していない。

規制が甘いことで、“転売目的の買い占め”が常態化しているのだ。

これで儲かるの?良心的!?な転売か

 フリマアプリ上では、定価の2-3倍の高値で取引されるおもちゃもある一方、定価の1割増しぐらいで設定されているものもある。

ほとんどが送料込みのため、「仕入れも安くならない新商品を出品して、ほんとにこれで儲かるのか?」と疑いたくなる。

このようなケースには、裏で「ポイント活動=ポイ活」が密接に関係している。

せどらーたちは購入する複数店舗において、しっかり会員や株主になっており、購入時の還元ポイントや割引までしっかり加味している。

それを含めて価格設定をしているが、限られた薄利を奪い合うさもしい商売根性と言わざるを得ない。

 また最近の傾向としては、複数のおもちゃセットを分解してフリマサイト上でばら売りする輩も増加している。

「セットではなく一部商品だけ欲しい!」という購入希望者にはニーズがあり、ばら売りが全部売れれば1セット以上の利益になる計算だ。

値段のイメージでは、セット1組で10,000円を分解 → 3,000円×4個=12,000円の感じだ。

商売あまりに矮小すぎて、哀れにさえ思えてくる。

悪質なケースでは、ばら売り商品にも関わらず「セット商品」のようなイメージを持たせて購入させようとする詐欺まがいの行為まで発生している。

※私も子どものおもちゃを購入する際に遭遇し追い詰めてみた様子が、こちらの記事↓

メルカリで詐欺まがいの商品が届いたので、紛争解決を依頼してみた!

第6章 法規制と社会的な動き

 読者の皆さんは、ゲーム機「PS5」発売時の高額転売騒動を覚えている人も多いだろう。

抽選販売や本人確認を強化するなど一部の業界では改善が進んだが、おもちゃ業界では依然として“野放し状態”だ。

 現状の課題は、以下の3点に集約されるのではないか。

  1. 高額転売規制が不十分
  2. Bot購入への有効な対策がない
  3. プラットフォーム側の監視体制不足

 社会的議論も盛んだが、「転売は自由経済の一部」という意見と「子どもたちの笑顔を奪う行為」という批判が対立している。


だが、子どものための市場である以上、“利益目的の大量買い占め”は大人として正しいふるまいではない。

昔は「大人買い」として、子どもから後ろ指をさされていた行為だが、恥ずかしくはないのだろうか。

第7章 本当におもちゃを必要としているのは誰か

 おもちゃは、子供の心を育てる大切なツールである。


創造力を育み、親子の絆を深め、友達とのコミュニケーションを広げる。

 しかし今、おもちゃは「投資商品」や「副業の道具」として扱われるようになった。

この歪んだ構造を変えなければ、本当に必要な子供たちにおもちゃが届かない社会が続いてしまう。

転売ヤーやおもちゃせどらーの存在

 彼らがおもちゃ売り場にいると、男性でも女性でもすぐに分かる。

はっきり言って異様な雰囲気を発し、そもそも子連れでないことが多い。

子どもが後ろなどを通過しようとしても、目に付かないことも多い(社会人としてどうなのか)

彼らはおもちゃの金額だけ見て(特価品中心に探っています)、あとはスマホばかり見ている。

恐らくAmazon価格の推移を比べているのだろう。

複数の売り場を回る効率を重視しているのか、さっとスマホ画面と見比べると立ち去ってしまう。

 自分のためにおもちゃを買いに来た大人はしっかり商品を見るし、スマホなど気にしていない。

買うべき商品が決まっている大人はさっさとレジに持っていき、恥ずかしいのかその場を早急に離れる。

 転売ヤーさんたち、自分では気づいていないかもしれないが、あなたたちはけっこう異様なオーラを発しているぞ。

みればだいたい判別できるので、私はけっこう哀れで冷たい目で見ている。

第8章 転売ヤーやから子どもたちを守るために

 では、どうすれば子どもたちにおもちゃが行き渡るようになるか。

多方面からいくつか考えてみた。

個人でできる対策

  • 転売価格では、絶対に買わない
  • SNSや地域コミュニティで情報を共有し、協力して予約を確保する
  • 抽選販売の案内をフォローして機会を逃さない

業界全体でできる対策

  • 本人確認を伴うデジタル抽選の徹底
  • Bot購入防止の強化
  • 転売防止を前提とした製造・販売計画の見直し

行政の役割

  • 高額転売禁止法の導入
  • フリマアプリへの監視強化と罰則適用

 これらを総合して、社会全体で「おもちゃは子どもに届けるべき」という合意形成が不可欠だ。

今回のマックの例では食品廃棄問題も重なり、良い意味で社会的批判を浴びた形となった。

第9章 転売ヤーたちよ、マックやおもちゃの転売で子どもの笑顔を奪うな

 冒頭のマックのハッピーセットや親子にもう一度、想いを馳せよう。

大人たちが利益のために、子どものためのおもちゃを奪い合う社会でいいのか?

新品おもちゃのせどりや転売行為は、ただのビジネスではない。


子どもたちの夢と笑顔を奪う、社会全体の問題だ。

おもちゃは本来、子どもたちの手に届くべきだ。


その当たり前を取り戻すために、今こそ声を上げる時である。

まとめ

 新品おもちゃのせどりは、本来子どもたちに向けられるべき喜びや笑顔を奪い去ってしまう。

近年ではフリマアプリやBotを使った大量購入によってその問題は一層深刻化し、家庭の温かな時間を支える存在であるはずのおもちゃが投機の道具と化している。

 この流れを食い止めるためには、法規制の整備や業界側の本気の対策が欠かせない。

そして何よりも、社会全体が「おもちゃは子どものものである」という当たり前の原則を再確認し、共に守っていく姿勢が求められている。

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