私がクソつまらん公務員を退職したワケ 番外編【副大臣が悪質な税金滞納で差押】

悪質な税金滞納を繰り返していた副大臣

 私は公務員を退職した

私が暮らす田舎では、銀行員か公務員になるくらいしか、地元での働き口がない。

それでも公務員を退職したのは、その特有の業務に嫌気が差したため

そのイヤ~な特有業務では、「滞納税の徴収」が筆頭に挙げられる

折しも、神田財務副大臣が固定資産税を滞納し、過去に4度の差押処分を受けていたとして副大臣職を辞任した。

 各メディアは、「税金滞納差押されるのが悪い!」と単純な見出しで報道した。

受け手の視聴者や一般市民の方は、税金滞納や差押の実情を分かっているだろうか?

本丸・自民党の「派閥の裏金問題」が発覚すると国内の話題は一斉にそれ一色になった。

とうの元財務副大臣も、ホッとしていることだろう。

しかし裏金問題と比較して、「滞納して差押をくらう」ことは国会議員になる以前の資質の問題

今後このような国会議員が誕生しないためにも、有権者として理解を深める必要がある。

 今回は番外編として、神田副大臣の税金滞納の性質を分析し、元税金徴収官の視点からその悪質性を検証する。

 時の政権や政治屋の去就には全く興味はない。

しかし、このような「滞納成り上がり」が国家の中枢にのさばるのは、元徴収官として虫酸が走る。

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悪質滞納者を財務副大臣に据えたマヌケな国

 結論から言うと、今回の税金滞納問題はさまざまな観点から見て悪質である。

神田副大臣の経歴とニュースで報じられた滞納歴を照合すると、国会議員期間の滞納は確実

しかも本人は、格式高い「税理士」先生でもある。

国会議員になって平然と滞納し続けていたのだから、開いた口が塞がらない。

こんな輩を財務副大臣に据えるなど、はっきり言って自民党の脇が甘い!

副大臣ということで傷は浅いが、一連のマヌケぶりが世界にとどろいたことだろう。

国税庁や全国の徴税吏員は、きっと怒り心頭だろう。

そんな怒りを胸に、元・税金徴収官の視点で今回の滞納の性質を細かく分析していく

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 この国には、このような悪質な税金滞納者が一定数生息する。

このような輩が、国会議員→副大臣となることに国民は怒ってしかるべき

ここまでの一連の騒動をみると、「適材適所」を謳う岸田首相が可哀そうにすら思えてくる。

何より、全国の公務員はこのような滞納者を日々相手にして神経をすり減らしているのだ。 

「公務員になりたい!」という学生の方々は、心して読んでもらいたい

これを読んでも、公務員になりたいと言い続けられるだろうか。

公務員を退職した私のこと(プロフィール)

 田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。

前職の経歴と風貌から、税金の徴収係などハードな部署に回され続ける。

第二子誕生の際、当時の男性では珍しい1年間の育休を取得

長年こびりついている悪質滞納の徴収を、なぜか理不尽にも任せられた。

2年間で目覚ましい成果を上げるも、年功序列の組織内で全く評価されず幻滅

育児をこなしながらも、今後の人生を真剣に考え公務員を退職して独立。

引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める

・もっと知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)

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今回の税金滞納問題

 この記事では財務副大臣の人間性を否定したり、岸田政権の揚げ足を取るつもりはない。

あくまで、税金滞納の事実や性質を分析し解説するものである。

 ニュースで報じられている内容では、今回の滞納税目は「固定資産税」。

一般的に、当該不動産(土地や建物)が存在する市町村が課税するものだ。

毎年1月1日時点で所有する不動産にかかるので、マイホーム所有者にはお馴染みの税金だろう。

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これは国税庁の所管税目ではないので、国税庁コメントはほとんど報道されない

もし国税の滞納だったらと考えると、国会・中央省庁をひっくり返しての大騒ぎになっているだろう。

神田副大臣本人も11月9日の「参院財政金融委員会」において、名古屋市栄市税事務所による4回の差し押さえを「事実」と認めている

 以上の事実を踏まえ、この問題の悪質性を挙げていく。

今回の悪質性

 今回の税金滞納問題の悪質性は、以下の4点。

徴収担当の公務員としては見慣れたものだが、こんな人物が国会議員に当選してして内閣中枢まで登り詰めているとは驚愕だ。

  • 差押の事実
  • 差押回数が4回
  • 税理士資格の所有
  • 税の意識

差押の事実

 まず「差押」というのは、なかなか実行されない

正確には、何度も本人に税金納付の督促を行なったうえでしか執行されない。

納税者の不利益を考え、そのように法律で定められているのだ。

「差押」の行政行為もかなりの手間がかかるので、自治体としてもできれば避けたい。

特に不動産の差押は、権利関係が複雑であったり、差押不動産を換金するのに時間と手間がかかる。

そのため、最後の手段として温存される傾向が強い。

今回も税事務所が未納催告を繰り返したり、本人側への訪問などで接触を図っていたはずである。

固定資産税の滞納

 固定資産税の滞納というのは、ひんぱんに目にする事例だ。

個人の不動産を引き継いで課税されたが、納税できる手持ち現金がない」と、滞納者からよく聞く。

それでも納税意識のある方は、税事務所を訪問し今後の納税方針を相談する。

その方針に従って分割納税なりで納税していれば、差押がされることは稀なのだ。

今回の一部報道では「名古屋市内の自社ビルの入居率が低く、収益が伸びなかった」とされている。

その事情を税事務所に話したうえで、真摯に納税方針を検討していたのだろうか。

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土地の差押は本当に面倒

 一般の方がよく耳にする「差押」は、ほとんどが銀行の預金口座の差押だろう。

これもこれで面倒なのだが、銀行の該当支店に必要な差押文書を持参すれば、30ほどで終わる。

そのため最も実行しやすい差押だ。

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 一方、不動産の差押となると手間と時間が爆増する

まず滞納者の不動産を照会して、資産価値のある不動産を見つける。

続いて不動産の共有者や地上権を法務局で確認する。

差押文書を作成して法務局へ持ち込むも、差押成立まで1週間はかかる

差押物件を換金するには公売にかける必要があり、換金までに半年~1年はかかる

そのため、やる気のない徴税官は自分の担当期間が終了するまで、不動産差押を延期する傾向がある。

私は現役時代にそのような案件を押し付けられたので、身をもって実感している。

差押回数が4回

 先ほど説明したように、不動産の差押えは1回だけでも大ごとである。

それを10年間にわたり4回もされるというのは、滞納の常習性があり悪質とみて間違いない

不動産を差押すると公売・換金するのに手間がかかるが、その年度中か翌年度には公売に出される。

このように、1、2年のスパンで完結する事案が多い。

名古屋市内の都市部のビルならば買い手も付き、売却金を滞納分に充当できるだろう。

 固定資産税は毎年4期分あるので、どのようなスパンで差押したかの推測は困難だ。

しかし、真摯に納税方針を相談し前向きに対応していたら、4回差押など絶対にされない

不動産の差押を4回するのは、本当に面倒ですから!

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 この神田氏は、当該税事務所でもきっと有名な滞納者だっただろう。

逆にリークのタイミングがここまで遅くなったのは、何かの意図や見えない力を感じてしまう。

[推測]差押の事情

 同じ不動産の4回差押となると、おそらく次のようなパターンが考えられる。

課税 → 滞納 → 納税督促・催告 → 差押 → しぶしぶ納税

この流れを1年間で収束させ、4年分か4回分繰り返した可能性が高い

差押後にも滞納が続くと、不動産が公売にかけられ落札者に所有権が移るからだ。

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税理士資格の所有

 神田財務副大臣は税理士資格を所有し、自社ビル内で税理士事務所を開設していた。

「税理士」という身分は弁護士ほどではないが、易々と国家試験を通過できるものではない

仮にも「先生!」と言われ、もてはやされる身分ではある。

実際に税金滞納をする不届きな税理士も存在するが、ごくわずかな割合だろう。

それは税理士が、個人・法人の納税サポートをして報酬を得るからである。

滞納者が増えれば、税理士の業務はあがったりである。

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 日本税理士会連合会のホームページには、税理士の使命が次のように示されている。

「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としています(税理士法第1条)。」

 神田税理士は、自らの納税義務を知らなかったのだろうか。

今回の事件は「税理士」というイメージさえも、大きく損なっている。

もし神田副大臣が地元の「税理士会」に所属していたら、そこにも赤っ恥をかかせたことになる。

この一連の騒動を受けて、所属する税理士会があればその対応も見ものである。

税の意識

 神田副大臣は、税の意識がとてつもなく低い。

税理士として、なおさらその低さが目立つ。

本人はスタッフ任せにしていたというが、そんな理屈は通らない。

税理士としても説明がまったく足りないし、そもそも信ぴょう性がない。

 そして、このような体たらくで財務副大臣にまで出世できた。

財務省は国税庁を与る大型省庁、そこのNO.2が財務副大臣。

おそらく自民党内では「税理士出身だから詳しくて適任」などと、おだてられていたのか。

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 極めつけは、滞納事実が報道されても「辞任しない」との居直り姿勢

支持率の低下が顕著なので、副大臣を辞任したようだ。

滞納が日常化して、罪の意識が薄れていたのだろう。

経営状態が悪いなどの特段の苦しい事情があれば、すぐにでも記者会見を開くのがスジだ。

 国税庁も、神田副大臣が辞任してくれてほっとしていることだろう。

衆議院が解散されても、しれっと出てきて再当選するのだろうか。

税金滞納の裏に多大な行政コスト

 税金滞納の厄介な点は、「その課税分が徴収できない」ということだけではない。

当然、納期を遅れた分は「延滞金」として、カードローンの利率並みの割増分を支払うことになる。

そうやって期限内納付者と滞納者とのバランスを保っている。

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 忘れてはならないのは、納付完了まで多大な行政コストがかかっていることだ。

督促・催告の文書送付に始まり、差押や公売の対応で行政コストは嵩む一方だ。

すべて期限内に納付していれば、まったく不要な行政行為だ。

 極端な話、世の中の滞納がなくなれば、徴収担当の公務員が一斉に不要になる。

そしてその浮いた人件費を、有益な事業に回すことができる。

期限内納付を徹底すれば、我ら納税者の行政サービスがより充実するのだ。

 性質は異なるものの、不倫スキャンダルで辞任する政治家よりも、社会的な損害は大きい。

国税庁主催の租税教室

 国税庁は、各自治体と連携して「租税教室」という事業を展開している。

各税務署、自治体の税事務所の職員を動員して、小中学校で租税に関する講義を行なうのだ。

税務署は予算建てしてあるためか、コロナ禍でもお構いなしに派遣された記憶がある

「国民の納税意識を若いうちから高める」という理念は、大事なものである。

私が派遣された小学校では、校長をはじめ小学生が真剣に話を聞いてくれた良い思い出がある。

しかしこの副大臣のもとでは、ばかばかしくてやっていられないだろう。

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 今回滞納した税金は「固定資産税」なので、地方税に分類される。

国税から支給される国会議員の給与には、直接関係ないかもしれない。

しかし、国税庁は全国の税制度を管轄する立場なので、当然無関係とはいえない。

まとめ 悪質な税金滞納をしつつ、神田財務副大臣は国会議員として居座るのか

 以上のように今回の税金滞納は悪質で、本人の税意識は希薄である。

財務副大臣の職はおろか、国会議員の資格さえ疑わしい。

万年野党の議員も、副大臣職の辞任を求めるのみ。

政権にダメージを与えられればそれで充分だからか。

同じ国会議員として、恥ずかしいとは思えないのか。

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 国会のゴタゴタを尻目に一般市民は、インフレで生活が苦しい中でも必死に納税している。

期限内の納付が無理ならば、分割にするなりして納税方針を前向きに検討する。

固定資産税ならば、当該不動産を売却して納税する方もいるだろう。

何度も差押されるほど不動産の管理が難しいならば、売却すれば良いだろう。

税理士としてのセンスも疑わしい経営マインドである。

税金徴収官をやっていると、一般市民として必死に納税する方も目にすることから、今回の件は国会議員として絶対に許せないものだ。

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 神田氏は財務副大臣を辞任するも、国会議員としてはのうのうと任期を過ごすのだろう。

公務員としてはこんな「滞納成り上がり大臣」を目の当たりにすると、バカバカしくなる。

こんな滞納者に接する時間はもったいないので、若い職員は明るい世界に羽ばたいていく。

はぁー、これは公務員を辞めたくなるわ。

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