公務員になりたい「本当の理由」- なったからわかる旨味&メリット

公務員になりたい建前理由は、それぞれ

 私は公務員を退職した

私が暮らす田舎では、銀行員か公務員(教師を含む)になるくらいしか、地元に帰ってからの働き口がない。

現在では地方の銀行員の魅力が下がりつつあるが、公務員についてはまだ一定の人気があるだろう。

 そんな公務員、入庁当時にはさまざまななりたい理由が列挙される

「地域に貢献したい」

「ビジネスでは成り立たない公共の福祉を実現したい」

などと、立派な建前が並べられる。

 しかし入庁してしばらく経つとそんな言葉は消え去り、実務面などで身に付く旨味やメリットが分かってくる

 「優秀な公務員」はそんなメリットをうまく吸収し、定年まで勤めあげて天下りし、周りがうらやむような幸せな老後を送る。

 この記事では、「公務員になりたい理由」の本音の部分から、その旨味とメリットを解説する。

本音の部分のカラクリも説明する。

 「これから公務員を目指す!」という若者には、ぜひ参考にしてもらいたい。

「公務員なんて大嫌い!」という方には、その実状を知り周りにも広めていただきたい。

公務員を退職した私のこと(プロフィール)

 田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。

前職の経歴と風貌から、税金の徴収係などハードな部署に回され続ける。

2020年の第二子誕生の際、男性では珍しい1年間の育休を取得

復帰後、滞納税徴収を担当した2年間で目覚ましい成果を上げる

しかし、年功序列の組織内で全く評価されず幻滅

育児をこなしながらも、今後の人生を真剣に考え公務員を退職して独立

引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める

・もっと知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)

神田財務副大臣,辞任,税金,滞納

なりたい公務員で身に付くメリット

 「公務員になりたい」という方の周りには、公務員の経験者が多い。

親や親戚が公務員で、その旨味やメリットを知っているからだ。

しかし、それはおいしすぎるので明るみには出せない。

だからこそ、キレイな建前を志望動機として入庁するというカラクリだ。

 その公務員になりたい「本当の」理由を、経験者として赤裸々に語っていく

実務能力

 公務員として働くと、地味ながらいろんな実務能力が身に付いていく。

ビジネスの面ではあまり通用しないだろうが、実生活で意外と役に立つことがある。

書類作成能力

 公務員は、その勤務の性質上、「文書主義」により、大量の書類を作成しなければならない。

 現業職以外の公務員は、だいたい

 「起案→決裁、起案→決裁、起案→決裁」

の業務の繰り返しである。

庁内の起案システムがダウンしたときは、呆れるくらい仕事が停滞してしまう。

そんな連日の業務のおかげか、他業種とは比べられないくらい書類作成能力が鍛えられる。

ある意味、「公務員官僚=ライター」と感じることもある。

調整能力

 「調整能力」とは、目標達成のために関係者の意見などをすり合わせておき、スムーズにことを運ぶ能力と定義しておく。

 いわゆる「根回し」というスキルである。

おそらく公務員の管理職や上層部は、この調整業務に明け暮れていることだろう(笑)

もちろん民間企業でも、いろんな関係者との調整がある。

しかし、公務員では比較的若い頃から、外部関係者だけでなく、内部関係部署との連携を考え、事業を執行しなければならない。

 特に首長が優秀だと、一つの事業で複数方面での成果を得られるように、多部門での連携を探るように厳命されることが多い。

近年の少ない予算制約の中では、首長の成果をよりアピールするためにも多部門連携がキーポイントとなってくる

とうの事業課同士で折り合いがつかず、バチバチにやり合っていたとしても、管理部門の優秀な職員の調整により上手く収まる、ということがままある。

 最後に特筆すべきは、やはり議員を相手とする調整だろう。

優秀な職員は議員の言いなりになるふりをして、うまく調整していたりする。

それでも細心の注意を持って取り組まねばならない領域である。

これを上手くやっている職員が出世していく印象が強い

 さてさて、「公務員は、営業能力やコスト感覚がない

とよく言われるが、ほぼ正確なご指摘だろう。

室内でこのような事務をしているので、どうしても能力が偏りがちになってしまう

だからこそ、民間企業の事務員と比べた際、その特殊な実務能力に驚かれることがある

特に年中残業だらけのキャリア官僚は、その能力が激しく鍛えられ、ずば抜けているのは間違いない(笑)

公的な信頼

 これは強みと言って良いのだろうか?

とかく公務員は清廉潔白な人格を求められる。

税金から給与をもらっているから言われるのだろうが、公務員が犯罪や不祥事を起こした際、マスコミはお祭り騒ぎである。

田舎の特に年配者からは、「あの人は公務員だからしっかりしている」などと、表向きは評価される

逆に、地域の取りまとめなどのいろんな役を押し付けられることも多い(泣)

田舎で暮らしていると、有名な一流企業が近くに無いためか、地方銀行員か公務員が「立派な勤め先」となるのだろう。

加えて、地方銀行は合併などで採用を減らしており、その衰退が叫ばれているので、

なおさら地方公務員が田舎で注目される

ただ都会では、大企業も多く価値観が多様化されているだろうから、公務員は田舎ほど公的な信頼を得ていないのではないか。

金銭面

基本

 公務員は不景気な状況でも解雇されないためか、よく安定していると言われる

しかし、給与は低い。

組織内に年功序列と定年制が色濃く残っているため、特に若手の給料はとても低い。

4年制大学を卒業し大手企業に勤めている同級生と比較すると、悲しいくらいである。

加えて、副業も禁止されているためか、「自ら稼ぐ」といった感覚は到底養われない。

しかし、それでもまじめに勤め続けていると、徐々に給与が上がり、ロートルリストラに怯えることもない

また、管理職にならずとも、万年ヒラ職員として勤め上げることも可能である。

(ベテランとして、有能な若手職員にマウンティングできる)

そして、お待ちかねの定年後には、潤沢な年金が支給される!

定年から年金支給開始まで期間はあるが、定年延長が着々と進んでいる。

ウルトラC

 さて、ここで公務員業界の常識だが、「人生の勝ち組」といわれるようになる目標だ。

 それは、公務員同士の結婚!

特に地方公務員の職場結婚をよく耳にするが、やはり美味しすぎる話だったのだ。

 公務員の親が自分の子供を同じ公務員にさせようとするのは、シングルでも安定させ、あわよくばダブル安定を目論むのもあるのだろう。

 ただ民間企業でも同じだが、夫婦で同じ組織にいると、お互いの情報が必要以上に行き交ってしまったり、周りに気を遣わせすぎたりすることがある。

 私が最も気を使ったのは、その夫婦が離婚してしまったケースである。

人事上の配慮はあるらしいが、それでも業務の関係上で接近することがあり、周りがヒヤヒヤしたものである(汗) 

親族の自尊心

 今まで述べてきた公務員の強みを考えると、親族を公務員にたどり着かせた方(特に親)の自尊心はとても満たされているだろう。

先のの金銭面でも触れたが、そこで職場結婚でもしてくれれば、親としては万々歳である。

自尊心を満たされた親は、当然ながらその子と良好な関係を築こうとする。

そこに、孫がいればなおさらだろう。

特に田舎では、「子が公務員である」というだけで、少しは注目されることがある。

親が公務員だとなおさら、子供も公務員にしようと誘導していくような姿勢を感じることが多い。

自身の子にしっかりした教育を受けさせ、無事に公務員となれた暁には、親族として幸せな自尊心に満たされるのである。

まとめ 公務員になりたい理由は変わったか?

 今まで公務員の強みを挙げてきたが、まとめとして、自らの公務員人生を振り返ってみる。

・公務員として働いていたときは、心安らぐ田舎に異動させてもらい、かけがえのない繋がりができるなど楽しいこともたくさんあった。

・民間企業では味わえない公務ならではの、スケールの大きい仕事に稀に携われた。

・長期の育児休暇を始め、家族の看護休暇を取得できるなど、家族との貴重な時間を確保できた。

勤務で蓄積されたスキルは、表面上は社会的に評価されない。「公務員」という経歴が、転職活動に悪影響を及ぼすことを強く実感。

・災害や感染病などの対応で、いろんな応援に駆り出されることが多々あった。

 そして、次のことを真剣に考えた。

「この傾きかけた国の公務員に、どれほど価値を見いだせるのか」

私の狭い視野では、はっきり言って公務員業界の先行きが全く見えなかった。

必死に頑張っても、社会が良くなったという実感を持てなかった。

都合よく自身の労働力と時間を搾取され、振り返るとゾンビ状態で働いていた。

自らの将来、家族との時間、家業(農業)の継続、複数の要素を考慮し、、、独立した。

おまけ こんな国の公務員になりたいか?

 先の参議院議員の選挙戦特番で、あるコメンテーターが首相に

日本は大丈夫ですか?」などと質問していた。

果たして、この質問に答えられる人はいるのだろうか。

組織の管理側を経験された方にはご同意いただけるかもしれないが、かなり不毛な質問である。

「大丈夫」と言えば、後ほど揚げ足を取られる。

「大丈夫じゃない」と言えば、その場で責任追及される。

私には、無責任な方が責任者を追及するための質問にしか感じられない。

 そして、賢明な読者さんならご存じだろうが、日本の凋落ぶりは各種調査からすでに赤裸々になっている。

もはや先進国などとは言えないレベルでもある。

そんな中で、答えは誰かに尋ねるものでもなく、自分自身で見つけ切り開いていくしかない、と私は考える。

この国や地域を、未来の子どもたちに残していくために。

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