【和月氏の趣向全開か?】漫画・特筆版とリメイクアニメ版との違い Vol.6
今回の20話は、まったくもって予想外。
「第零幕」とあったので、
新選組時代の話を深堀り → 斎藤 一(はじめ)登場 → 京都編へ突入!
と踏んでいた。
しかし、今回の原作漫画は、『るろうに剣心 特筆版 上巻』だった。
『るろうに剣心 特筆版』とは
今回の原作漫画は、2012年9月に刊行された『るろうに剣心 特筆版 上巻』となる。
このコミックスには全4話が掲載されているが、るろ剣の映画に合わせて「キネマ版」という扱い。
この本では基本的に原作「るろ剣」のパラレルワールドが展開されており、各キャラの設定も異なっている。
その中でもこの「第零幕」だけは、原作るろ剣の設定とも矛盾しない設定であったため、今回の抜擢となったのだろう。
この本は刊行されてから10年以上が経過している。
まだ4,5年前の作品だと思っていたのに。
ヒロインはドイツ人医師
今回の「第零幕」はアニメでよくある「話数合わせ」かもしれない。
他のアニメでは「回想版」などと銘打って、まとめの回を挟むことがある。
しかし、るろ剣のアニメスタッフは一味違う!
あえて異色の特筆版から、本編に矛盾しない話を持ってきてアニメに仕上げてくれた。
これだけで、「るろ剣」ファンとしては感謝、感謝である。
そして今回のヒロインは、まさかのドイツ人女性医師!
あまり外国人らしさはないが、和月氏の好みが大きく反映されたような可愛らしい女性だ。
京都編を期待していたので肩透かしをくらったが、今回の話はこれはこれで面白いのだ。
『るろうに剣心』が、青春のバイブル
私は『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚(めいじ けんかく ろまんたん)-』が、好きだ。
毎週「アマゾンプライム」で、リメイク版「るろ剣」の新話を心待ちにする日が続く。
毎週見ていく中で、ところどころ、原作の漫画版と異なるところに気づく。
私は思春期に漫画版を読み込んでおり、毎日1巻ずつは平気で読んでいた。
リメイク版で変わったところは、高いクオリティでリメイクされている。
けれど当時の生粋のるろ剣ファンとしては、どこが違っているのかとても気になるのだ。
そこで、その「違い」を肯定的に捉え、読者さんとマニアックに共有していきたい。
・なぜ「るろ剣」の違いを、記事にしようと思ったのか?その熱い思いはこちらから ↓
『リメイク版アニメ『るろうに剣心』漫画版との気になる違い Vol.1』
『るろうに剣心』を語る私のこと
〇 私(スカイハイ)
片田舎で男性公務員だったが、第2子誕生の際に1年間の育休を取得。
育休後に復職するも、将来を見据え、退職・独立。
引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとしても活動中。
中学生の頃から『るろうに剣心』が大好きで、毎日コミックスを1巻ずつ読み続けた。
X(旧ツイッター)でも、るろ剣をフォロー(ようやく)
詳しくは、私のプロフィールへどうぞ(内部リンク)
第20話 明治剣客浪漫譚 第零幕 前編
あらすじ
神谷 薫の自宅では、いつもの面々でにこやかに雑談中。
しかし、話の流れは剣心の昔話になる。
そこで剣心は東京に流れ着く前の昔話を始める。
舞台は、横浜の外国人居留地。
行き倒れの病人に遭遇した剣心。
そこに車屋の男吉と、怪しげな外国人医師が現れる。
みどころ 絶妙なヒロイン
今回のヒロインは、横浜で外国人医師として働くドイツ人女医のエルダー。
最初は仮面を被った性別不明の医師だが、仮面の下は幼ない系の美人医師。
しかし彼女の意思は強く、地元権力者の嫌がらせにも屈しない。
外国人としての剣心との斬新なやり取りも、面白い。
隠しみどころ 剣心は流浪人(るろうに)
今回の深読みポイントは、剣心が「流浪人(るろうに)として、流れてきた」こと。
ということは、また時がきたら「流れていく」可能性があるということ。
しかしこの神谷道場の幸せな状態からは、そんなことは微塵に感じない。
だからこそ、あの名場面が生まれるのだ。
京都編の展開に、大きく期待するところ。
違い1:横浜の庭園でのお茶会 違い2:横浜居留地を散策
漫画版では
1話で完結した漫画版では、どちらのシーンも未描写。
リメイク版アニメでは
病人をホテルに送ったあと、剣心、エルダー、男吉の3人は庭園でお茶会。
剣心は花の香りがわかるが、紅茶の香りがわからないという。
(冒頭の神谷邸で、剣心は日本茶の香りの良さに気づいている)
それをエルダー医師は、「心が病んでいる」と指摘する。
お茶会のあと、3人は人力車を交代で曳き横浜見物を行なう。
外国人建築家の実名も出しながら、視聴者に分かりやすく横浜の街を紹介してくれている。
違いを考察
るろ剣にはめずらしく、ほのぼのした展開が続いた。
原作の1話分を、前・後編に分けるので、尺を長くしたのだろう。
その尺で、文明開化の横浜を素敵に紹介してくれている。
気になったのは、エルダー医師からの「剣心の心が病んでいる」という指摘。
幕末の心の傷が癒えていないのだろう。
その後、神谷邸で日本茶の香りがわかることから、心の傷は幾分癒えているのか。
今回はゆっくりしたペースで、るろ剣ワールドを堪能できた。
こういう回も悪くない。
第21話 明治剣客浪漫譚 第零幕 後編
あらすじ
横浜の有力者・石津泥庵(いしづでいあん)は、エルダーの存在を疎み排除しようと画策する。
しかし剣心に脅威を感じた泥庵は、欧州の組織を通じて剣心の排除を依頼する。
西洋剣術を擁するエスピラールが、剣心に襲い掛かる。
みどころ1 剣心 対 西洋剣術
今回の敵役は、西洋剣術を擁する欧州の暗殺者・エスピラール。
前話で剣心ともすれ違っており、お互いが「刀」を意識しあっていた。
剣心の飛天御剣流は、西洋剣術に通用するのか?
みどころ2 剣心が癒されている
横浜での紅茶の香りは分からなかったが、神谷邸では日本茶の香りがわかっていることから、剣心の心が「癒えている」ようだ。
しかし、横浜ではエルダーの言葉により、剣心の幕末の思い出がフラッシュバックしている。
剣心の心はいったいどこに落ち着くのか。
違い1:敵役にも光が当たる
漫画版では
適役の暗殺者エスピラールの見せ場は、男吉の人力車を吹っ飛ばすくらい。
剣心とはまともに刀を交えることができずに、龍槌閃で勝負あり。
「速いな。けれど 遅い」
リメイク版アニメでは
まずは、紳士!
剣心を焚きつけるため、男吉の車を吹っ飛ばしエルダーに手荒な真似をするが、こっそり詫びる。
そして、剣心との戦いが原作の倍くらいに長く、「ひねりにひねった」奥義も披露!
このひねり具合には、こちらも首をひねった。
闘い終わりには男前ぶりを発揮し、騎士をアピール。
なんとエルダー医師の「用心棒」として、アメリカまで付いていくこととなった。
違いを考察
原作1話をアニメ2話にしたからか、全体的に新設シーンが多い。
戦闘をただの間延びにせず、西洋剣士としてのプライドも守られている。
エスピラールの奥の手もあったことから、次回以降に登場する「牙突」を意識させるつくりとなっていた。
斎藤は、神谷道場にて「サーベルは脆くて頼りないんでね」と発言し、自身は日本刀の帯刀を許可してもらっているのだ。
そういう細かな対比も面白い。
まとめ 「特筆版の第零幕」でつなぎ、いよいよ「るろうに剣心」は本幕へ
京都編を期待した分、びっくりの引用だった。
10年前の作品で、しかも世間の目にあまり晒されていないからか、あまり突っ込む要素も少なかった。
しかし当時の横浜の雰囲気や、西洋騎士の誇り、外国人医師の奮闘など、さまざまな描写に満足させられた。
そして、京都編の前フリとなるような描写があったので、京都編への期待がますます高まる。
ただの回想回にせず、新話で上手く繋いでくれるところに、るろ剣の引き出しの多さを感じた。
「ありがとうございます! 皆さん お健やかに!!」
いよいよ次回は、「蘇る狼」。
今度こそ、あの元・新選組の斎藤 一の登場で間違いないだろう。
いよいよ、リメイクアニメ版の「るろ剣」がフルスロットルとなる!
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