気持ち悪い労働組合、公務員だけ?
私は公務員を退職した。
私が暮らす田舎では、銀行員か公務員(教師を含む)になるくらいしか、地元に帰ってからの働き口がない。
現在では地方の銀行員の魅力が下がりつつあるが、公務員についてはまだ一定の人気があるだろう。
ひと昔前に公務員試験をパスした私は、順調に勤務していたがそのうっ憤は募る一方。
やはり公務員として働く環境は、あまり良いものではなかったからだ。
退職の理由はいくつもあるが、そのひとつ「気持ち悪い労働組合」は入庁当時から付きまとってきた。
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労働組合の異様な進化
本来は、職員の地位と労働環境を守るはずの労働組合。
しかし公務員という特殊な環境と時間のなかで、異様な状態に「進化」していた。
私は経験上、民間企業の労働組合について詳しくない。
そのため、「公務員の組合がどこまで異様なのか」については、民間の労働組合と比較しにくい。
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そのため、この記事では入庁初年度から感じた「気持ち悪いオンパレード」を主観的に書き尽くす。
選りすぐりの実話トピックを書き尽くしたので、読み応えはあるはずだ。
民間企業の方は、ぜひご自身の所属する労働組合と比較いただきたい。
そして、「公務員になりたい!」という学生の方々は心して読んでもらいたい。
これを読んでも、公務員になりたいと言い続けられるだろうか。
公務員を退職した私のこと(プロフィール)
田舎の県で地方公務員として、約15年間勤務する。
前職の経歴と風貌から、ハードな部署に回され続ける。
管理部門に所属した3年間で、労働組合から手痛い仕打ちを受ける。
第二子誕生の際、当時の男性では珍しい1年間の育休を取得。
育児をこなしながらも今後の人生を真剣に考え、公務員を退職して独立。
引き継いだ農地で小規模農業を行いつつ、ブロガーとして歩み始める。
もっと細かく知りたい方 → 私のプロフィールへ(内部リンク)
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初年度から、気持ち悪い労働組合を体感
私が所属していた自治体では、入庁した職員の9割以上は労働組合にも加入する。
私が退職した時点では、職員全体の加入率は87%くらい。
右も左も分からない1年目は、「新規組合員の絶好の狩り場」とばかりに加入させられている。
ここで加入しないのは、総務部などの管理部門に配属された1年目か、よっぽどの変わり者。
所属の課が20~30人として、そこの1人を「〇〇課代表」として組合の雑務や取りまとめをさせている。
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1年目職員の囲い込み合宿で、毎年撒かれるエサ
どこの組合でもそうだが、労働組合は特に1年目職員への囲い込みに力を入れている。
わが自治体では、夏前の『組合員1年目の研修合宿』がその典型的な例だった。
毎年「組合の基本理念などを学ぶため」と称し、リゾート地で1泊2日の泊まり込み合宿を行なうのだ。
当然ながら同期間でも異性がいるので、それを目当てに参加する輩もいる。
しかし、男性にとっては最も魅力的なエサがあった。
それは、「公立病院の1年目ナース」も新入組合員として参加すること。
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男性公務員としては、看護師(9割が女性)と1泊研修できるなんて、こんな嬉しい機会はない。
女性看護師としても、手堅い公務員と結婚できる機会と捉える方がみえる。
実際に、この研修が縁となって結婚に至るカップルが毎年数組、誕生している。
私はこの話を事前に聞いており、「どこかの宗教組織か?」と、うさん臭く感じていた。
組合の気持ち悪い発言
その研修は、金曜日の夕方から始まり土曜日の昼に解散となる。
本庁から車で2時間ほどのリゾート地で行われるので、1年目の職員は午後から半日休暇を申請する。
この休暇申請も、組合からすると「休暇申請の良い練習」らしい。
はっきり言って、余計なお世話でこの時点でも気持ち悪い。
合宿当日、私には職場の「親睦ソフトボール」の練習が入っていた。
こちらは付き合いではなく、完全に趣味の領域。
そのため組合の合宿を欠席することとし、合宿の参加申し込みも行なわなかった。
すると組合本部から「職場の圧で参加できないのか?」と、気持ち悪い電話がかかってきた。
その言葉の裏では、「職場の圧がかかっているのなら、その所属長に組合から物申す!」という意図が明らかに感じ取れた。
呆れた私はその電話上で、プライベートの時間を優先する意思を示し、合宿参加を辞退した。
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1年目の研修に、そんな目くじらを立てる所属長はいないだろう。
組合の発言は気持ち悪いものだったが、その「嗅覚のなさ」に不安を感じた。
波乱を招く自衛隊研修でも、気持ち悪い接触
わが自治体では、入庁何年目かで「自衛隊研修」があった。
自衛隊の駐屯地に1泊2日で泊まり込み、自衛隊の職務遂行の姿勢や組織行動を学ぶのだ。
もちろん銃火器を取り扱うことはない。
これは当時の自治体の長が、自衛隊に理解があったから実現した。
しかし、平和活動が大好きな労働組合からは、研修導入時に大きな反発があった。
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組合の思惑
公務員の労働組合は、反体制のイデオロギーの影響なのか、平和活動に力を入れている。
毎年、終戦記念日前には組合員が折り鶴を折らされ、集められた千羽鶴が広島に贈られる。
また、毎年夏には若手組合員が沖縄の平和デモ行進に参加させらせる。
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そもそも公務員になる時点で、自衛隊への理解はある程度備わっている。
自衛隊研修で組合員が右傾化されると、この平和活動の熱が冷やされることを恐れているようだ。
私個人としても、この自衛隊研修に多少の不安はあったが、「自らの人生にとってきっとプラスになる」と楽しみにしていた記憶がある。
なお、ほかの民間企業でも、自衛隊での組織行動を学ぶため、数日間の自衛隊研修を組むところがあるらしい。
満足の自衛隊研修
自衛隊研修は一般公務員用に肉体面のハードさを抑え、指揮・命令・遂行などの組織の動きを学べるものだった。
災害時に役立つ知識や実践もできたので、収穫は多かった。
教官役の自衛隊員と食事、集団入浴を行ない、施設内部のことも大変勉強になった。
右傾化とは違うのだが、はっきり言って自衛隊のことが好きになった。
そして研修が終わってから、気持ち悪い組合が動き出していた。
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ネガティブ発言を集める組合員
自衛隊研修から帰って数日、私の職場に組合役員(10歳ほど年上)が訪ねてきた。
「自衛隊研修、おつかれ~」の社交辞令から始まった。
次の質問は、「研修時に、何か命令されたか?」と的外れな内容。
私は「は!?そういう研修だから、当たり前でしょ」とズバリ回答すると、その組合員は明らかにプンスカして帰っていった。
どうやら、研修に参加した同期職員にも聞きまわっているようだ。
しかし、組合員のこの質問のセンス。
揚げ足取り目的がバレバレの質問、それを一蹴されて憤慨する短絡さ。
やはり気持ち悪い組織だ。
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給与カットの組合交渉
近年の少子化・人口減少の影響で、自治体の大半が財政難にあえぐ。
経常収支比率は9割超えがザラで、自由に使える「政策的経費」に回せる予算は少ない。
そんな苦境の中で、わが自治体も「身を切る改革をしなければならない」との覚悟で、職員の給与カットに踏み切った。
しかし、そこには最強の敵・労働組合が立ちはだかるのだった。
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給与カット阻止は、労働組合最大の見せ場
公務員は簡単に免職(クビ)にならない。
だからこそ、公務員の労働組合は「給与カットの阻止」が最大の見せ場となる。
しかし、公務員の労働組合には「団体行動権」が認められないので、ストライキはできない。
公務員がストをすると、公的サービスが停止し社会が混乱するからだ。
それでも給与カットがすんなり断行されると、組合の存在意義が問われ組合員離れに繋がる。
労働組合にとって、まさに正念場。
ストは使えない中で、とんでもない理屈で給与カット阻止をもくろむ。
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この給与カットのドタバタの際、私はちょうど予算担当だったのでこの騒動を目の当たりにした。
正規組合員でありながらも、予算担当として給与カットのためのいろんな資料を集めるハメになった。
給与カット反対の理由
給与カットを恐れた組合は、当然ながら組合員全体をまきこみ反対運動を起こす。
さまざまな会合を企画し、給与カットの拒否理由を挙げる。
中には唖然とし苦笑する拒否理由を、大真面目に展開していた。
「公務員の給与が下がると、地元商店街が沈む」
自治体庁舎の付近には、たいてい商店街が並ぶ。
そしてその商店街は郊外のショッピングセンターに客を奪われ、経営危機又は閉店するところも多い。
労働組合はそこに目を付けた。
「公務員の給与をカットすると、その職員が買い物・飲み歩きする機会が減少して商店街が沈む」
という理屈を展開したのだ。
そもそも給与カット以前に、地方の商店街の衰退はとっくに始まっている。
これは時代環境の変化であり、公務員の給与カットを阻止してどうにかなるものとは思えない。
また若手職員には「職場の飲み会は苦手」な職員も増えており、飲み文化も衰退していくだろう。
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「地方の会社などは、公務員に準じて賃金体系を設定している」
「地元商店街が沈む」理論は、組合員にも腑に落ちなかったのか、ウケが悪かった。
そこで組合は、次の理論を持ち出してきた。
「地方の会社は公務員に準じて賃金体系を設定しているので、給与カットの影響が及ぶ」という理屈だ。
たしかに地方の会社などが、単独で賃金体系を定めるのは困難だ。
そのため、その地方の公務員の賃金体系をもとに、会社の賃金体系を定めることがある。
しかし基の公務員が賃金カットしたからといって、それに追随すると会社の従業員が黙っていない。
その会社に労働組合があれば、その組合の強い反発も予想される。
公務員の労働組合が主張する「負の連鎖」は、「一般住民を人質としての交渉」に映った。
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給与カット交渉の行方
給与カットの交渉は数か月に及び、組合の幹部と自治体の幹部が何度も協議を重ね決着に至った。
給与カットの中身は、期末手当などのいわゆる「ボーナス」などの算定月数を0.1か月分減らすというものだった。
この給与カットで自治体は、全体で数百万円もの人件費を削減し、政策的予算に回せることになった。
何より地元住民に対して、「公務員自らが身を切る改革を断行した」とアピールできた。
みんな知らない驚きの結末
この給与カットには、まさかの結末があった。
給与カットが決定された数か月後に、プラスの人事院勧告が出されたのだ。
「人事院勧告」とは、国家公務員の人事を司る人事院が、公務員給与が民間給与と大きく離れていないかを調査し、乖離があれば是正を勧告するものだ。
「プラスの勧告」というのは、公務員の給与が低いのでもう少し上げるべきという勧告だ。
各地方では「人事委員会勧告」として、同様の働きをしている。
毎年何かしらの人事委員会勧告が出されるが、基本的に自治体がその勧告を尊重する傾向が強い。
そしてこの給与カットの年度では、地方の人事委員会勧告でもプラスとなり、自治体がそれを反映し給与がアップすることとなった。
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これだけでもびっくりだが、本当に驚愕したのはその額だった。
なんと、給与カットした額と人事委員会勧告で上昇した額が、数百万円単位で同じだったのだ。
これは偶然なのか、それとも組合と自治体幹部間で握られていた話なのか。
組合は給与カットを飲まざるを得なかったが、合法的な手法で給与(期末手当)は戻されていた。
この事実に気づいたのは、ヒラの一般職員では私しかいなかったはずだ。
地方の自治体といえども、恐ろしい世界だ。
給与カットの裏事情
公務員の給与カットは、自治体がその方針を決めた以上、たいていは決行される。
労働組合は必ず反対するが、組合員といえでも公務員。
反対し続けていると、住民から冷たい目で見られるからだ。
そのため労働組合としては、ある程度納得できる資料が得られたら、ある程度ごねる。
そして給与カット幅を狭めさせるか、代わりに「〇〇休暇」を新設させるなどして、福利厚生を充実させる。
そうやって、労働組合の存在価値を組合員にアピールする形に落ち着く。
人事評価システム
私が所属した自治体の人事評価システムは、謎の多い制度だった。
簡単に言うと、自己申告を基にした「絶対評価システム」だ。
積極性、責任感、協調性などの項目を、「1~5」の5段階で自己評価するのだ。
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1の最低評価は上司としてもつけることができない。
もちろん1で自己申告するものもいない。
反対に5の最高評価も同様の扱いで、目にしたことはない。
多くの職員は、自己申告で3と4をバランスよく散りばめる。
それを直属2段階の幹部2人がみて、妥当がどうかを判断するのだ。
大半の評価は、数か所「4→3」に落とされるくらいだ。
このような絶対評価人事は、ほかの自治体や民間組織でもあるだろう。
わが自治体が異様なのは、そこに労働組合が横やりを入れて制度を「骨抜き」にしたのである。
労働組合の暗躍で、謎の制度に
この人事制度が新設される際、自治体は労働組合に了承をもらおうとした。
しかし組合は反対し、「特定の職員に、高評価や低評価が偏らないように配慮すべし」と注文をつけた。
具体的な運用では、仕事ができない職員がいても、年度の前期・後期で低評価の「2」を連続して付けられないといったものだ。
こうやって仕事ができない職員でも、その烙印を押されないように組合が守っているのだ。
しかし優秀な職員からすると、低評価の職員がのさばったままの組織に不満が募る。
その結果、優秀な職員や若手職員が組合脱退したり退職したりし始めるのだ。
同じ組合員なのに、優秀な職員が出来の悪い職員を守っている風に受け止めてしまう。
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不本意な異動は助けてくれるが
年が明け、年度末が近づいてくると、各所属は来年度の異動の話で持ち切りである。
念願かなった異動もあれば、幹部から不本意な異動を突き付けられることもある。
そんな不本意な異動が出ても、同労組合員ならば組合本部が異議申し立てをしてくれる。
異動人事の発表は、毎年週末の金曜日の3時ころから解禁される。
所属の幹部が各職員を個室に呼び出し、残留か次の異動先を伝える。
異動が決まったものは、その異動に向けて準備したいところだが、翌週の月曜日まで動かないように厳命される。
それは異動に不服な組合員が組合に駆け込み、組合本部が各所属に異議申し立てを行うからだ。
この異議申し立ての力は強力で、人事異動の障壁となり幹部も気を遣うところだ。
労働組合は、この人事異動でその力を存分に見せつけるのだ。
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異議申し立ての見返り
組合の異議申し立てにより、望み通りの異動を勝ち得た組合員。
当然、無傷ではすまない。
なんと翌年度から、非専従ながら組合本部で役員見習いの服役が待っているのだ。
職務をしながら組合本部の会合に参加したり、オルグ活動、土日の組合活動に参加させられる。
すんなり異動辞令を受けておいた方が、楽な場合が多い気がする。
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出向した若手官僚を取り囲む組合
労働組合の見せ場は、もうひとつある。
それは、財務省や総務省などの中央省庁から出向した若い官僚を、会合で取り囲み組合への従順を誓わせるのだ。
にわかにどのような活動か理解しづらいだろう。
各自治体では課長や部長などの特に重要なポストに、中央官庁からの出向官僚を就かせることがある。
これは、その自治体が中央官庁との結びつきを強め、要求を取りやすくする狙いがある。
中央官僚も30歳代の若手官僚が、独り身や家族を連れて見知らぬ自治体に赴任する。
中央官庁としては、地方修行のような位置づけのようだ。
受け入れる自治体では、その若手官僚が重要ポストに就くのだから、とても違和感がある。
労働組合は、これを「国家権力による地方自治支配」として断固反対している。
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組合の実際の動き
出向してきた若手官僚は、もれなく国家1種公務員のエリート官僚。
ゆくゆくは、〇〇省のトップ・事務次官にまで登り詰める可能性を持つ人材だ。
そんな優秀な人材でも、赴任当時は自治体内では何も分からない状況。
そんな中、組合幹部たちはその官僚を会合に呼び出し、「地方自治に口を出さない!」などと誓約させる。
なぜいち組合員だった私がそれを知っているかというと、組合がそのやりとりを写真入りの広報誌で声高に掲載するからだ。
まさに、鬼の首を獲ったかのような掲載ぶりで吐き気がした覚えがある。
ほかにも手柄をアピールする
労働組合は、自治体の幹部との交渉で、
「〇〇休暇を勝ち取り、新設するに至った」
「既存の△△休暇の日数を増やした」
など、職員が利用できる休暇を獲得したことを声高にアピールする。
しかし多くの職員が、所定の年次休暇さえ満足に消化できていない。
そのうえで、マニアックで「いつ使うの!?」という休暇が増えても、その恩恵にはあずかれない。
私の記憶では「レクリエーション休暇」などがあったが、取得した試しがない。
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嬉しくない休暇
職員にとって最もポピュラーな休暇は、「年次有給休暇」だ。
これは毎年1月に新たに20日間付与され、半日や1時間単位でも取得可能だ。
取得理由も問われないので、最も使いやすい休暇だ。
これは前年から最大20日間の持越しが可能なので、たいていの職員は年明けに40日間でスタートする。
多くの職員は、1年で10~15日取得する職員が多い。
そのため、20日間持越し+20日間付与=年明けに40日間という計算だ。
基本的な年次休暇さえ消化できていないのに、他の休暇が増えてもねえ。
退職年の驚愕!年次休暇日数
私は退職する年度で、この年次休暇を取りつくしてやろうと画策した。
最終年度は40日のMAXでスタートし、12月末までに35日間取得。
翌年1月に20日間付与され、残りの休暇が25日間で再スタート。
最後の残り3か月で、22日間を消化。
最終的に3日間を残すことになったが、これは驚愕の数字として知れ渡ったらしい。
年次休暇を大量取得したら、まさかの低評価
私の最終所属は個人的な動きが多く、融通が効きやすい性質の職場だった。
そのため、子育て中の女性職員が多く、子どもの都合で急に欠勤したりすることもあった。
それでも個々人の仕事の成果は目に見えてわかるので、休暇も取得しやすかった。
しかし私が前代未聞の年次休暇数を叩き出した見返りは、まさかの低評価人事だった。
仕事の成果は自治体内でも余裕のトップクラス、しかし3月末で退職する職員。
そういう幹部からの思いからか、「あなたは休暇数が多い、協調性を欠く」として低評価を受けた。
![労働組合,気持ち悪い](https://sky-high-fly.com/wp-content/uploads/2023/10/ape-4839012_1280-1024x682.jpg)
この頃、私は組合からすでに脱退していたので、泣きつくところはなかった。
組合員だったとしても、気持ち悪い組合に泣きつきはしないけども。
脱退しにくい仕組み
組合員になると、毎月組合費が徴収され、給与から天引きされている。
基本給の2%くらいだが、私も最終年に毎月7000円以上は徴収されていた。
天引きなので意識しづらいが、いざ思い返すと結構大きな額である。
しかもその活動費は、仕事のできない職員を守るために使われているように感じていた。
こんな理不尽な組織に出費したくないので、私は年度途中に組合の脱退を申し入れた。
すんなり脱退できると思いきや、けっこう苦難の道だった。
脱退まで組合役員との面談を繰り返す
脱退するには、支部役員との面談を経て、本部役員との面談が必要らしい。
私は職自体の退職意向を伝えていたので、強い引き留めはなかった。
しかし、在職したまま、組合を脱退するとなるとそうとう険しい面談になるらしい。
組合を脱退した職員は「非組合員」として、組合から「ただ乗り職員」と批判されるのだ。
![労働組合,気持ち悪い](https://sky-high-fly.com/wp-content/uploads/2023/10/woman-3271589_1280-1024x414.jpg)
たしかに、非組合員も労働組合が取得した労働環境を、組合費を払わずに享受する。
そのため、「ただ乗り」という理屈は通っている。
しかし私は退職するのだから、ただ乗りと言われカチンときた。
「これまで10年以上も組合費を文句言わずに払ってきたのだから、最後くらい気持ちよく送り出せ。
退職後の私の生活や身分を、組合が保証してくれるのか?
退職の意向を固めてから、1か月でも組合費を支払うのはばからしい。
さっさと脱退させて、組合費の引き去りを止めよ」
これにて、私の組合脱退がなされた。
労働組合に残る気持ち悪さ
労働組合の存在価値が認められていたのは、主に高度経済成長期のころ。
官民問わず増え続ける業務に伴い、労働環境は悪化していた。
そんな状況だからこそ、労働組合はその役割を評価される。
![労働組合,気持ち悪い](https://sky-high-fly.com/wp-content/uploads/2023/10/architecture-2256489_1280-1024x682.jpg)
しかし、ある程度労働環境が整備されると、次の存在価値を見出すことはできなかった。
特に公務員の通常の労働環境はかなり恵まれているので、これ以上の改善は難しい。
公務員の労働組合も、十分にその空気を感じているはず。
国内経済の停滞、働き方や価値観の多様化、組織化の困難化など、これからの労働組合のかじ取りは、かなり難しいだろう。
まとめ 公務員の業務は増えるが、組合は対応できず
追い詰められた組合は「残業を減らせ」と主張するが、多様化する社会で公務は増え続ける。
さらに定年が65歳まで延長されて、満足に仕事ができず行くあての無いシニア職員が居座る。
公務員の労働組合は、複雑化する業務に対応できない職員やシニア職員をかばうことになる。
その結果、若手や優秀な職員にしわ寄せがいき、有効策を打てない組合から脱退する職員が増える。
若くて優秀な職員は、可能性があるうちにほかの明るい世界に羽ばたいていく。
このまま組合が対症療法的な対応ばかり取っていると、ますます「気持ち悪い」と評価される。
はぁー、これは公務員を辞めたくなるわ。
![労働組合,気持ち悪い](https://sky-high-fly.com/wp-content/uploads/2023/09/image-11.jpeg)
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